考える力

2016年6月 2日

教え過ぎないからうまくなる!サッカー少年に成長してほしいなら忘れてはいけないたったひとつのこと

2015年に開催したサカイクキャンプの模様
 

■ドリブル練習よりもゲーム形式を重視する理由

――技術的な話も伺いたいです。技術を伸ばすためには反復練習が必要だと考える人も少なくないと思います。たとえば、ドリブルに力を注ぐチームも少なくありません。ドリブルがうまくなる、というニーズが親御さんの側にもあるのだと思います。
 
「もちろんドリブルは大事です。でも、子どものときに、この時期はドリブルだけに特化しよう、という考え方は違うと思います。サッカーはドリブルだけをするスポーツではないからです。サッカーは、パスとドリブルを駆使しながらも、シュートを決めて点をとる、そしてゴールを守る、そうやって得点数を競い合うスポーツだということをコーチがしっかり理解しないといけません」
 
――あとは……、インサイドキックを両足で蹴られることに重きを置いて指導している町クラブの指導者も少なくないと思います。
 
「それをやって意味がないとは言わないけど、でも、そればかり、というのは違うと思います。サッカーをトータルで考える必要があるし、パスが繋がるのであればインサイドキックじゃなくてもいいんじゃないですか? パスは繋がればいいんです。昔ドイツで活躍した皇帝ベッケンバウアーなんて全部アウトサイドでプレーしていましたよ。左足があまりうまく使えない外国人選手も結構います。でも、左足だけはとてつもない武器にしているし、そのほうがチームのためになっている場合は結構あります」
 
――ただ、両足が蹴られるという基本があると子どもが困らない、という側面はありませんか? それができないとサッカーにならないわけで。
 
「確かに、狭いスペースで足下がない子どもたちがサッカーをしていたらゲームにはならないでしょうね。だったら、人数を減らして、2対2のような形式にしてみれば左右の足で蹴られないことがそれほど気にならなくなる。そこは指導者が練習をどうオーガナイズするかという腕の見せどころですね」
 
――なるほど。そういう工夫がサカイクのキャンプには凝縮しているということですね。子どもに一方的に教えることはしないけれど、子どもが楽しみながら成長できるための工夫やエッセンスがたくさんあると。
 
「そういうことですね。ぜひたくさんの子どもたちに一度、体感してみてほしいと思います。待っていますね!」
 
 

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