考える力
2016年8月30日
8歳は集中力が持続しなくて当たり前?サッカー少年の年代別の特徴をしっかり理解しよう
前回のコラムで紹介させていただいたように、子どもと向き合うときには年代別の特徴や性質を学び、考慮することはとても大切です。今回は具体的にどのような点に気を付ければいいかを紹介させていただきます。コーチにとっては子どもたちと向き合ううえでの大事な基準となりますし、親にとっては子どもたちが所属しているクラブでこうした配慮がなされているのかという参考になります。子どもたちが今どんな段階にいるのかが見えてくれば、お互いのコミュニケーションを深めるうえでも有益なものになるのではないでしょうか。(取材・文 中野吉之伴)
■6歳以下はさまざまな運動体験をさせてあげて
就学前のまだ小さな子どもたちにとって、「サッカーのトレーニング」という縛りは必ずしも必要なものではありません。この年頃の子どもたちに重要なのはとにかくさまざまな運動体験をすること。「走る」「跳ぶ」「蹴る」「投げる」「受ける」「転がる」などという基本的な身体能力は、一昔前なら放っておいても子どもたちが遊びの中で自然と身につけていたもの。ところが日本だけではなくドイツでも子どもの環境が大きく様変わりした現代では、多くの子どもが健康・運動能力上の問題を抱えており、今日では幼稚園や保育園、スポーツクラブで培わなければならないようになっています。
だからといって子どもたちにとってあくまでも一番大切で、そうした能力を身につける上でも最適なのは「遊ぶこと」であり、「習いごと」であってはならない点がポイントです。夢中で動き回り、1時間のトレーニングが終わったときには汗びっちょり。子どもたちが無邪気に楽しめているなら、ずっとミニゲームでもいいですし、逆にボールを使う練習がまったく行われなくても全然問題ありません。
■8歳になると好奇心が旺盛で身体を常に動かしていたい
小学1、2年生(7、8歳)くらいになると、少しずつ「サッカーというスポーツ」を認識できるようになってきます。この年代の特徴として挙げられる「好奇心が旺盛で、身体を常に動かしていたい。ただその反面、集中力はまだまだ少ない」という点をトレーニングではうまく利用したいところです。できるかぎり連続して体を動かしつづけられるように、それぞれの待ち時間が短いオーガナイズをしてあげると、子どもたちは自然にさまざまなボールや身体を扱う技術を身につけていきます。
またサッカー的観点で見ると、サッカーとの出会いとなるこの年代では「ゴールを狙い、ゴールを守る」という根本的な原則を習慣づけることも非常に重要です。人数が多くてほとんどボールに触れないまま終わってしまっては、子どもたちにとってちっともおもしろくない。少人数でのミニゲームのほかに、「コーチの合図でピッチに入り、ボールを奪い合ってシュート」とか、「5m先のマーカーを先に触ったほうがコーチからパスを受けて攻撃」といったように、バリエーションをつけながら、ゴールを奪い合うトレーニングが推奨されます。
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