考える力

2017年4月13日

IT技術で能動的な学びを養うことは、自分で考えるサッカーにも役に立つ!?

2020年より、小学校で『プログラミング教育』が必修化されることをご存知でしょうか? 経済産業省の算出によると、ITの需要に対してIT人材の育成が追いつかず、将来的に技術者が足りなくなることが予想されています。それを解決するための施策として、小学校の授業に『プログラミング教育』が導入されることとなりました。
 
プログラミングを学ぶことで、論理的な思考力や、順序だてて問題解決する能力を身につけることを目的とされているようですが、それらの考え方は「自分で考える」サッカーにも役に立つ部分があるのではないでしょうか。小学生向けのプログラミングスクールを運営している株式会社CA Tech Kidsの上野朝大社長にお話を伺いました。(取材・文:鈴木智之)
 

 

■能動的な学びから、考える姿勢が身につく

アメーバブログ、Abema TVなどのインターネットサービスで知られる株式会社サイバーエージェントのグループ会社、株式会社CA Tech Kids(シーエー テックキッズ)は、2013年から小学生向けのプログラミングスクールを展開しています。
 
こちらのスクールでは「ITやテクノロジーを使いこなして、アイデアを自分の力で実現し、能動的に世の中に働きかける人材になってほしい」(上野朝大社長)という理念のもと、スクールやワークショップに加えて、プログラミング学習の出張授業を行うなど、幅広い活動を通じて子ども達と触れ合っています。
 
サッカーもプログラミングも「学ぶ」部分は同じ。こうしたい、こうなりたいというイメージがあり、それができるようになるために、どうすれば良いかを考える。そこでチャレンジして失敗し、改善してうまくできるようになる。その繰り返しです。
 

■モグラたたきゲームでITの知識を楽しく学ぶ

(写真提供:CA Tech Kids)
 
CA Tech Kidsのスクールでは小学校1年生から6年生の子どもたちがゲームやアプリを作ることで、プログラミングを学んでいきます。上野社長は次のように説明します。
 
「スクールでは『今日は2時間の授業でモグラたたきゲームを作ってみよう』『今日はシューティングゲームを作ってみよう』という形で、1回の授業で1つのゲームを作ります。モグラをランダムに出すためには“乱数”が必要ですし、シューティングゲームを作るためには“座標”の知識が必要です。『今日は乱数を勉強するので、教科書を開いて』というと、子どもたちは退屈してしまいますよね。そうではなく、ゲームを作る中でプログラミングに必要な知識を学んでいくというイメージです」
 
プログラミングを習う子の中にはスポーツをしている人も多く、サッカーや野球のジャージを来て、練習の後に立ち寄ることもあるそうです。
 
(写真提供:CA Tech Kids)
 
CA Tech Kidsのスクールでは“メンター”と呼ばれる、大学生のお兄さん、お姉さんが、子ども達のサポートにあたっています。サッカークラブやスクールでいうコーチ的なポジションです。ただし違うのは「メンターは指導者ではない」ということ。あくまで、子ども達をサポートする役割です。
 
「メンターは『知識を授ける偉い人』という位置づけではありません。子ども達と年齢が近く、打ち解けてなんでも話せる、相談できるお兄さんお姉さんというスタンスです。なので、ああしなさい、こうしなさいと言うのではなく、こうした方がいいんじゃない? という助言にとどまります。教えるべきことも一方的に与えるのではなく、子ども達に問いを投げかけて、まずは子ども達に考えてもらいます。このような、双方向の学びを重視しています」
 
(写真提供:CA Tech Kids)
 
次ページ:すぐに答えを与えない、大人は補助線を引く役目

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