考える力
2017年8月31日
子どもが「サッカーばか」にならないために意識したいこと
■技術を教えたからといって、上手くなるわけではない
つくばFCのクラブの根底には“人財育成”がありますが、何よりもまず、「すべての人が楽しめる」という考え方を大切にしています。そのために意識していることが、「環境づくり」です。
クラブの石川慎之助代表が、環境整備への思いを明かしてくれました。
「子どもたちに“本物”を知ってもらえるように、2006年に、つくばFC万博グランドを夜間照明付き天然芝グラウンドとして整備しました。選手も一緒になって芝生を植えてくれたのですが、彼ら自身、自分たちでつくった良質な天然芝でプレーできる喜びをリアルに実感してくれていたことを今でも覚えています」
そのノウハウは今、日本サッカー協会のグリーンプロジェクトのポット苗の生産育成にも生かされ、クラブとしては、そのポット苗を無償提供するなど、クラブのグラウンド以外の芝生化などにも活用されています。
プレー環境ということではその他、2015年につくば市と「スポーツのまちつくば」に関する協定書を締結し、2016年に筑波学院大学の多目的広場を、人工芝グラウンドとして整備するなど、より良いピッチの提供を目指してアップデートを続けています。
また、男女のトップチームの選手がコーチとして指導に当たることで“身近な目標”がいる環境でプレーできることや、未就学児から社会人まで自分に合ったスクールを選べるなど、生涯スポーツとしての側面も強めています。
「自分としっかり向き合える環境を用意してあげれば、人は伸びていきます。その上で、最終的に変えられるのは自分自身。他人を認め、自分に責任を持てるかどうか。子どもの将来は、クラブとの接し方一つで大きく変わってくると思っています」
つくばFCが環境づくりを大切にしてきた理由は他にもあります。それは、石川代表の「限られた時間の練習だけで、選手が上手くなるとは考えていません」という言葉に現れています。
「『教える=上手くなる』、『勝つ=伸びる』ということではないと思っています。技術を教えたからといって、子どもが上手くなるわけではありません。諦めるということではなく、割り切りも必要です」
だからこそ、子どもたちが少しでも上手くなれるように、そして、少しでも楽しみながらプレーできるように、環境整備に最善を尽くすという考え方を貫いています。
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