考える力
2017年9月 1日
相手の特徴を見てサッカーをする経験を積むと課題修正力が身につく! リーグ戦のメリット
■「自分たちのサッカー」だけでいいのか
さらに、幸野さんはこう続けます。
「日本の選手達は、育成年代に限らず、相手のプレーを見て、試合中に修正したり、弱点を突く能力が低いですよね。その一因にあるのが、育成年代で相手の特徴をスカウティングして、対策を立てて試合に臨む経験の少なさだと思います。先程も言ったように、トーナメント方式では、次にどのチームと試合をするかが直前にならないとわかりませんし、招待大会などの短期大会も、一度は試合はするけど、次はもう試合をしないという状況が大半です。そうなると、何が起きるかわかりますか?」
幸野さんはそこで言葉を溜め、次のように切り出します。
「相手の特徴を見てサッカーをする経験がないから、どんな相手であっても、自分たちの特徴を出そうという、いわゆる“自分たちのサッカー”という言葉が使われるわけです。でも、サッカーは相手があるスポーツで、相手チームに対して、どう戦うかが重要なわけです。それをジュニア年代から何千試合と積み重ねてきた欧州の選手と、そうではない日本の選手を比較したら、大人になったときに大きな差になるのではないかと思っています」
リーグ戦という形を導入して終わりではなく、リーグ戦の持つ意味とそこからどう選手の成長につなげられるかを考える。そのための適切な仕組ができたときこそ、日本のサッカーはさらにレベルアップするのではないでしょうか。次回のコラムでは「レベルに合ったリーグ戦がなぜ必要か?」について、掘り下げて考えていきたいと思います。
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