考える力
2018年7月 9日
遠藤保仁のスキルを身につける! 日本トップクラスのMFの理念がつまった「遠藤塾」とは
■遊びの中で発見を。ミスに対しては怒らない。
中でも重要視しているのが"遊び"をベースにすること。その中で子どもたちが最良なプレーを発見できるようなヒントを与えるという姿勢で指導をしているそうです。彰弘さんは保仁選手のマネをすることから始めてほしいとも口にしました。
保仁選手とハイタッチ(C)11aside
"遠藤保仁が主催する遠藤塾" という言葉を聞くと、彼が持つような技術が身につくという期待を持つかもしれません。ただ、保仁選手のプレーについては彰弘さんは「独特」で、「クローンのようなものを作るのは無理」だと言いきります。しかし、特別に高いスキルを持つ彼の真似から始めることは重要であり、その中で指導者がかける言葉から子どもたち自身に最適なプレーを考えさせることが選手としての成長に繋がると考えています。なぜなら自分なりに考えて工夫しながら努力を重ねることで、遠藤選手と全く同じタッチではなくても、試合の中で活かせる「止める」「蹴る」を高いレベルで身につけることができるからです。
「『なんでミスしたんだ』とは一言も言いません。『もうちょっとこうしたらこういう風に止まったかもね?』といった感じで、ヒントを与えていくんです」
指導の中でミスをしたことに対して叱ったり咎めたりすることは決してしないとのこと。それをすると子どもたちの選択肢は狭まってしまい、柔軟性も失われてしまいます。そこを徹底的に意識した指導が遠藤塾の中で共有されているとても重要なポイントだそうです。
その中で"絶対的な正解"を伝えることはなく、そもそも前述したように彰弘さん自身も「100%ではない」と語っています。つまり、コーチとプレーヤーの双方向的なコミュニケーションから互いに成長し、プレーヤーである子どもたちには考える力を養って成長してもらいたいと考えているのです。
では、具体的にどのような声掛けやアプローチをとっているのでしょうか。後編はその点について掘り下げていきます。
後編:なかなか答えを出せない子も高く評価。「遠藤塾」流、技術と判断力のある選手の育て方>>
遠藤塾とは
サッカー日本代表の遠藤保仁選手が、プロの世界で培った貴重な経験を次世代を担う子どもたちに伝え、未来の日本代表育成を目的としたサッカースクール。
遠藤保仁選手のプレーを支える3つの基礎"止める・蹴る・考えて走る"を軸に、プロになる為に本当に必要な技術を徹底指導。
日本のサッカー史に残る「マイアミの奇跡」で日本代表の10番を背負い、横浜マリノス(現:横浜F・マリノス)などで活躍した遠藤彰弘氏(保仁選手の実兄)もコーチとして、日々子どもたちの指導に当たっている。