考える力
2023年11月27日
「他者を感じ、強みを伸ばす貴重なきっかけに」 サッカー以外も身につけるキャンプに保護者が魅力を感じた理由
今冬も箱根と大阪で開催される、サカイクサッカーキャンプは現在申し込み受付中です。参加を迷っている方の参考になるべく、2022年冬と今夏のキャンプに参加した石川メグル君とお母さんにインタビュー。
参加の動機やどんな成長実感があったかなどをお話いただきました。キャンプを通して長所をぐっと伸ばしたメグル君のエピソードをご覧ください。
(取材・文:小林博子)
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愛知県に住む小学6年生のメグル君は、地域で活動するクラブチームに所属し、ポジションはセンターバックです。
サカイクサッカーキャンプへの参加はこの夏で2回目でした。初参加は2022年冬の大阪会場と、ちょうど1年前。当時のことをまずは振り返ってもらいました。
■親が参加を促した理由は「サッカー以外も学べる合宿だから」
メグル君がサカイクサッカーキャンプを知ったのは、かねてからサカイクの理念に共感してくれていたお母さんの勧めだったそう。ライフスキル講習など、サッカー以外の学びも多そうなところが魅力だったと話します。
そしてもう1つ参加を促した理由は、新型コロナウイルスの影響でチームの合宿を経験しないまま最高学年を迎えることになりそう......という事情もありました。
「息子のサッカー生活は、2年生からコロナ禍に突入。学年が上がっても宿泊のある遠征や合宿はなかったので、できれば小学生のうちに1回は経験させてあげたいと思っていたんです。キャンプはチームの合宿と違って周りは知らない子ばかりという心配はありましたが、大好きなサッカーを通して知り合う子たちとならきっと大丈夫なはず。3日間親元を離れて生活することで、今まで存分には体験できなかった社会との関わりに触れ、人生経験をたくさんしてきて欲しいと思いました」(メグル君のお母さん)
なお、合宿中の感染対策をきめ細やかにしていることも決め手の1つであったよう。「まだ感染が不安視されていた昨年の冬でも安心して送り出せました」と話してくれました。
■他のポジションを経験したことによって「言われる側」の気持ちがわかった
メグル君が参加を決意した理由は主に2つありました。
まず1つは、ポジション柄試合中にチームに声がけをする場面が多いメグル君が自身の課題を解決するため。「チームでは声を出している方だったけれど、どういう言葉で伝えたらいいのかわからなかった。それを学びたかった」と言います。
そんな明確な目標を1つ定めて臨んだ、2022年冬の初めてのサカイクサッカーキャンプ。
メグル君は、練習やライフスキル講習を経て、前向きな声がけの必要性を身を持って実感する瞬間があったそうです。
「ライフスキルを学んで、前向きな言葉を選んだり、伝え方に気をつけることの大切さを知りました。あと、キャンプ中の試合ではセンターバック以外のポジションをいろいろしたので、声をかけられたり指示されるポジションの大変さや気持ちも経験できました。そんなことを言われても......と思われるような一方的な言葉はよくないってわかりました」
ちなみに、もう1つの参加の理由は「チームメイト以外の子どもたちとサッカーができて楽しそう」でした。多くの子どもたちが口にする純粋な動機です。まずは大好きなサッカーを楽しみたい、合宿に行ってみたいという気持ちも大切にしてあげたいところですね。
■チームではコーチからも頼られる存在に成長
メグル君がキャンプで身につけた声がけの変化は、すぐにチームでも効果を発揮。試合を見てすぐに、お母さんはその変化に気づいたそうです。
「声がけの内容や言い方が明らかにポジティブなものになりました。それまでは強い口調で言って、雰囲気がかえって悪くなってしまったり、口喧嘩になってしまう場面もあって観ている私がハラハラすることもあったのですが、一切なくなったんです」と合宿後の試合を振り返ります。
今では、失点後にコーチや監督から「メグ! いい声をかけて盛り上げて!」とメグル君の声がけを頼りにされるまでになったそう!
キャンプ担当の柏瀬コーチはこう話します。「キャンプでは子どもたちの長所を伸ばすことも意識しています。メグル君は初対面の仲間や低学年の小さな子どもたちに積極的に話しかけたり、2回目のキャンプでは経験者として頼られたりと、リーダー性にもともと優れたお子さんでした。キャンプでの学びや経験をきっかけに長所をさらに伸ばすことができたのはコーチとしても嬉しい限りです。そんな長所は、サッカーだけでなく様々な場面で彼の強みになるに違いありません」
■感謝の心がしっかり芽生えた
ライフスキルの学びの効果はどうだったのでしょうか。メグル君に5つのうちどれが心に残ったかを聞いたところ、「感謝の心」と即答。
<5つのライフスキル>
考える力
リーダーシップ
感謝の心
チャレンジ
コミュニケーション
「今まで僕がサッカーをするために母ちゃんがやってくれていたことは普通だと思ってたけれど、そうじゃなかった」と知ることができ、道具が揃っているのも当たり前のことじゃなく、家族やコーチに感謝しなくちゃダメだと思ったと言います。
ご自宅でメグル君がご両親に感謝の言葉をかけることはあまりないそうですが、感謝してくれるようになったことは、接する時の態度から感じられるようになったとお母さん。親からではなく、第3者から伝えられることで、難しい年頃にさしかかっている子どもでも素直に受け入れられたのではと分析しています。
時代の変化やコロナ禍もあり、今は「他者を感じること」が昔より難しくなっていると柏瀬コーチは考えています。サッカーを通じて、チームメイトや家族、指導者など関わってくれる"他者"への気づきや優しさを育むことができるのも、サッカーの醍醐味ではないでしょうか。
■2回目の参加は本人も家族も熱望!
初参加を経て大きく成長したメグル君が2回目に参加したのは今年の夏。リピートの理由は、本人が「また行きたい」と強く希望したことが第一ですが、小学2年生の弟のノゾム君を兄と共に参加させてあげたいという家族の思いもあったそうです。幼いことと、性格的に親と離れて3日間過ごすのはまだ心配なノゾム君でしたが、頼れるお兄ちゃんのメグルとだったら安心して行かせられると考えました。
そうでなくても、2回目には2回目の参加メリットがたくさん。メグル君は「2回目は、1回目に注意されたことに気をつけながら生活したり、学んだことを復習できた」と話してくれました。経験者として、よりリーダーシップを発揮できるシーンも多数あったことも、彼の自信につながったはずです。
■参加を迷う子へのアドバイス「絶対楽しいから参加して!ごはんも美味しい」
最後に、参加検討中の親子に二人からメッセージをいただきました。
「迷うなら参加した方がいい! ダメなら2回目は行かなきゃいいだけ。でもきっと2回目も行きたくなるはずだけど。仲間が全国にたくさんできるし、一緒に食べるごはんはとっても美味しいよ。サッカーだけじゃなくて、生活面での振り返りの時間もたくさんあって、パワーアップして帰れるよ」(メグル君)
「ぜひどうぞとお勧めしたいです。家庭や所属チームではできない経験や学びがたくさんあり、成長期にまたとない経験をさせてあげられます。メグルは6年生なので次回と次々回がラストチャンス。どちらかには3回目としてまた参加させてあげたいと思うほどです」(お母さん)
インタビューにはっきりと受け答えをするメグル君。声がけやリーダーシップについての言葉や様子からは、自己肯定感の高さが伺えました。自信を持って語れる姿は「頼もしい」の一言。中学生になってもチームを率いる素敵なサッカープレイヤーになるに違いありません。
他ではなかなかできない経験が3日間に濃縮されたサカイクサッカーキャンプ。この冬、我が子にプレゼントしませんか?