考える力
2024年2月14日
周囲の状況把握ができるようになったり、文章力が上がった子も ロヴェスト神戸中学2年生のサッカーノート活用法
兵庫県神戸市の街クラブ、「ロヴェスト神戸」では、昨秋からサカイクサッカーノートを使用しています。書き始めて数か月ですが、少しずつ効果を感じていると言います。
中学生年代も確実に成長を感じるサカイクサッカーノート。
前編では中学1年生の二人に、書いていてどんな変化や成長があったのか、これまでのサッカーノートとどう違うのかを伺いました。
後編では、中学2年生の選手とジュニアユース監督の緒方太一さんにサカイクサッカーノートを使用した感想や使用前後の選手の変化について聞きました。
(取材・文:貞永晃二 写真:柳瀬心佑)
前編:ドリブルでの仕掛けが怖かったけどノートの活用で克服 ロヴェスト神戸中学1年生がサッカーノートを書き始めて感じた変化
■思いのほか書きやすく、短時間で見直せるので良い
東 煌明(ひがしこうめい)くん 中学2年生
―――サカイクのサッカーノートはいつから書いていますか?
もらったときは、面倒だし「書くの嫌やな」と思ったんですけど、1ページだけ書いてみたらちょっと楽しいなと思って11月下旬にやり始めたって感じです。思っていた以上に書きやすくて、最初は複雑なことを質問されるかなと思いましたけど、書くところも少なく、短時間で見返せるんでいいなと思いました。
―――書くのにはどれぐらい時間がかかりますか?
かかるときは最高30分ぐらいですけど、短い日なら15分ぐらいです。
――試合や練習で気づいた点や自分の優れているところ、足らないところ、課題、反省というのをノートに書けていますか?
一応書けているんですけど、自分でもまだ少しダメなところがあるかなと思います。自分はロングキックが好きで、視野を広げてそれに繋げたいなと思うのでノートには「視野を広くする」と目標を書いているんですけど、(前は見えているが)後ろとかがまだまだ見えていないので、しっかり視野をもっと広げていけたらいいなと思います。
――例えば、目標は書きやすいけど、「どんな工夫をしますか」という項目が難しいという意見をよく聞きますが?
難しいというわけじゃないです。3つなので苦労せず書けますけど、5つくらいに増えたらちょっと難しいかもしれません。
■ノートを書くようになって、試合でのミスの原因に気づけるようになった
――ノートを書くのが習慣づいてきたと思いますが、書くようになってよかったなと感じるところを教えてください
前の自分としっかり向き合えるところです。ノートを書いていなかったときは、自分がどんなミスしたかを時間が経つと忘れてしまっていましたが、書くようになってから、ミスした原因に気付けたり、目標をしっかり立てられるようになりました。
――具体的にどんなミスですか?
自分はDFなので、パスミスとかが多いし、相手の位置が把握できていなくて裏に抜け出されたり、状況把握ができてなかったりするところです。
――以前書いたページを見直したりすることはありますか?
1回書いて、最初の「前回の学びや発見は何があったか」っていうところがあったんで、それで見返すことができるようになりました。これまでは前に書いた内容を見なかったんですけど、サカイクサッカーノートを書き始めて見るようになりました。
■ノートを書くようになって、試合でのミスの原因に気づけるようになった
――ノートを書くことで、「これは結構できているんだな」と気づくことはありますか?
書いていないときよりはしっかり分かるようになりました。僕はセンターバックで自分の立ち位置が間違っていたら、すぐ相手の得点になってしまうポジションなので、しっかり周りの味方の位置も把握できるようになってきました。それと以前は声を出しているだけだったんですけど、今はチームメイトに細かく言えるようになってきました。継続的に使っていきたいなっていうのはあります。
■手書きのノートと動画・SNSを併用
緒方太一(おがたたいち)さん ロヴェスト神戸ジュニアユース監督
―――これまでサッカーノートを使っていましたか?
選手と僕とコーチが共有できるLINEの中でのノートはありますが、手書きのノートというのは初めてです。
―――サッカーノートを使ってみたいなという考えはありましたか?
そうですね。使ってみたいなっていうのはあったんですけど、今の子たちは手で書くというよりもLINEとかで打ち込む方が得意なところもありますから、中学生でノートを書くというのはちょっと考えていなかったです。高校生になれば自分の時代のようにノートに書くイメージがあるんですけどね。
―――LINEでのやり取りについて教えてください
練習、自主練を動画に撮って送り、感想とか、前日の試合の内容とか、そういうのを自分でまとめさせて、それを送ってもらう感じで、それにコメントを返していました。今も継続していますが、見てほしい動画やYouTubeとかを載せたり、コーチが撮影したゲーム(試合)の内容を編集したものを載せるなど、みんなでシェアするコンテンツとして活用しています。
―――サカイクサッカーノートはLINEの報告に追加する感じですか?
そうですね。
■書き始めて、話を聞く姿勢や練習への取り組みや目つきが変わってきた
―――サカイクノートを使ってみての感想は?
書きやすくできているなと思います。僕らが学生時代にサッカーノートを使っていた頃は、項目を自分で書いて、目標とか結果がどうだったとか、フォーメーション、ポジションがどうだったとかでした。課題を自分で書いて振り返りみたいなことも書いて、反省とかも自分で書いてやっていましたので。それと比べサカイクノートには、お題というか設問がたくさんあって選手たちも書きやすいだろうなと思います。
―――目標を立てて、結果を書く仕様のサカイクサッカーノートを書き始めて、それで結構スルーパスがうまくなった話などを選手たちから聞けました。ノートを書くようになる以前、と比べて課題を把握することが出来るようになったと感じますか?
自分で目標を設定して、今日の練習ではこれをするとか、自分でポイントをまとめやすいのかなと思います。そういうのが得意な子はスッとできているなとか、練習の取り組み方というか目つきが何か変わってきたなと思います。ちゃんと目を見て話を聞くとか、当たり前のことなんですけど、意識は持ててきたのかなとは感じますね。
■書くことで身につく文章力はサッカーでの創造力にもつながる
―――サッカーへの向き合い方がちょっと変わってきましたか?
直接的に向き合い方に繋がっているかどうか分からないですけど、サッカーノートを書くことで、なんか若干学校の成績とか点数がちょっと上がっている子もいるんです。直接関係ないかもしれませんけど......。サッカーにも、小さな変化ですけど子どもたちの意識の中で変化があるのかなと。ノートを提出するので、字が上手くない子とか、文章力がないと自覚している子たちは苦手だろうなとずっと思っていたんですけど、2年生とかは話の受け答えとかも変わってきている感じはしますね。
―――まだ使い始めですが、今後どういうふうに使っていきたいですか?
積極的に選手たちに習慣づけはしたいですね。それこそ学校の先生とかにも聞いたりするんですけど、字が上手くないとか、文章力がないというのは創造性とか、プレーに繋がると思いますから。自分を見つめ直すとか、振り返る、思い返すというのは、自分の「できていない部分」に向き合う行為で、恥ずかしかったりするものですが大事なことです。ノートの目標設定ありきですけど、それらの習慣づけになると思うので、今の子たちに必要だと思います。特にウチの選手たちに欠けている部分なので、ノートを使ってみて「これはいいな」と思いましたね。だから、継続的に使っていきたいなと思っています。
「しつもん」があるので書きやすいと評判のサカイクサッカーノートは、これまでサッカーノートを書いた経験がないとか、続けられなかったなどという場合の"入門編"とだけでなく、強豪クラブチームに所属する中学生選手でも自身の成長を感じて活用してもらえるノートです。
ノートに手書きする時間を持つことで様々な好影響が生まれると選手、指導者が声をそろえるサッカーノートで、自分の目指すプレーが出来るようになったり、課題を克服して今以上にサッカーを楽しみましょう。