プレイヤーズファーストって知ってる?ただ褒めるだけではなく、然るべきタイミングに褒める親になろう
少年サッカーにおける「プレイヤーズファースト」の一つに、子どもが伸び伸びとプレーできる環境を整えることが挙げられると思います。
ところが、未だに少年サッカーの現場では、周りの大人たちからストレスを発散するかのような野次が飛ばされ、子どもが委縮するような光景が見られるのが現実です。
「ときには怒ることがあってもいいと思うんです。本当に子どものことを思っていて、子どもとしっかりとコミュニケーションが取れていれば、怒ることで子どもに伝わることもあると思います。しかし、感情的で一方的な怒りには意味がないと思います」
そう話すのは、東京都武蔵野市の強豪町クラブ、関前SCを率いて約25年になる小島洋邦さん。
ポジティブな声掛けと改善点の指摘の割合は5:1が理想。わが子の「エモーショナル・タンク」を満たそう
スポーツ先進国アメリカ・ワシントン大学のジョン・ゴットマン教授の調査によるとポジティブなやりとりが5、非難や批判が1の割合である夫婦は結婚生活が続きやすいそうです。
のちの研究で、子どもたちが何かを学ぶときでも、その比率が応用できることが分かりました。教師やコーチからポジティブなやりとり5、非難や批判1の割合であるほうが、子どもたち自身が指示を受け入れやすく、よりよい方向に改善していこうという意欲が出るそうです。
初心者コーチの心得その4:子どもそれぞれのキラッと光る部分を探そう
サッカーが上達するには「子どもたち自身が気づくことが必要だ」と、よく耳にします。では、気づかせるために、コーチはどんなことをしたらいいでしょうか?
シンキングサッカースクールヘッドコーチ・高峯さんは言います。
「どんな子にもキラッと光る部分があるんです。それを見つけるのがサッカーコーチの醍醐味ではないでしょうか」
子どもは急に考え出さない!一緒に楽しみ成功体験を褒める意味
東京ヴェルディの松本哲男スクールコーチに「幼少期から考える力を身につける方法」というテーマでお話を伺いました。
「たとえば、ある子どもが相手のエースの子どものドリブルを止めたシーンがあったとします。そのときに『やったじゃん、なんで止められたのかな?』と聞くと、だいたいが『わからない』と返ってくるものです」
「その子どもがまた後半に止めてくれたとしたら、ぼくらとしては『なんで止められたんだろうね?』と声をかけるわけです。つまり、子どもの考える力をどう引き出すかというよりも、一緒にサッカーを楽しむなかで、子どもの成功体験を大事にして、どうやって成功したのかを子どもに振り返らせながら考えてもらう、という感じなのかな」
叱るべきか?それとも褒めるべきか......。【連載】サッカーを心から楽しむための思いがけない方法!「無愛想」のススメ
親はいつも子どもの幸せを願っているし、どうにか夢を叶えさせてあげたいと思うものですよね。ただ、実際に夢に挑戦するかどうか、やるかやらないかを決めるのは子ども自身であって、「親である自分にできることは何なのだろう?」と悩むこともあるのではないでしょうか。
キツく叱るべきなのか?それとも褒めるべきなのか?
子どもの幸せを思うあまり強く言いすぎたり、失敗させまいとしてやったことが自分の価値観を押し付けになってしまうと、逆に子どもが萎縮してしまいます。子どもは大人の状態を敏感に感じ取っています。だからこそ、親が良い状態で存在しているだけでも子どもに大きな力を与えることができるのです。