サカイク親子キャンプ
2013年7月 9日
サッカーの試合で一番いいプレーを選ぶには?1泊2日サカイク親子キャンプより②
6月29日から30日にかけて、南房総(千葉県鋸南町)・サンセットブリーズ保田で開催されたサカイク親子キャンプ。グラウンドでのトレーニングを終えた夕方になっても、真夏のよう太陽が照りつけていました。そんな強い日差しのなかで、さんざんサッカーボールを追いかけていたにも関わらず、まだまだ、子どもたちは元気一杯。すっかり打ち解けた者同士「裏山に虫を採りに行こうよ!」と遊びに出かけていました。そして、夕ご飯を食べたら、今度は頭を運動です。「ロジカルシンキング」と題した親子セミナーが開催されました。
■ロジカルシンキングってなに?
親子セミナーのテーマは「ロジカルシンキング」です。
「ロジカルは論理的という意味。ロジカルシンキングとは、考えや議論などを進めていく筋道、思考や論証の組み立て、思考の妥当性が保障される法則や形式のことです」
と言うと大人でも頭を傾げてしまいそうですが、たとえば、「傘を持ってきました。雨が降っている」という文章は、どこかおかしいですね。これを、“話のつながりをきちんとつくる”ロジカルな考えで作り直すとどうなるでしょう? 「雨が降っていたので、傘を持ってきました」とすれば、話のつながりができます。このようにロジカルシンキングとは、話しのつながりに注意して考え、書き、あるいは話すことなのです。
■サッカーもロジカルに考えてみましょう!
一見すると、国語の授業のようですが、このロジカルシンキングは、サッカーのときにも役に立つのです。
「ゴールとの間には相手の選手がいたら、ただシュートをしても相手に防がれてしまいます。だから『どうすればいいのか?』と考える必要がありますね。サイドの空いているスペースに相手を誘いだして、ゴール前が空いた隙にドリブルを仕掛ければシュートを打つことができますよね」と須田コーチは低学年の子どもたちにも理解しやすいように言葉を噛み砕いて説明を進めていきます。
つまり、『ゴール前がふさがれていました。シュートを打ちました』という文章では話もつながりませんし、実際のサッカーのシーンでもゴールをすることは困難でしょう。けれども『ゴール前がふさがれていたので、相手をサイドに誘い出してからシュートを打ちました』としたらどうでしょうか? 話の意味もつながりますし、ゴールをすることのできる可能性も高くなります。
「サッカーでのロジカルシンキングとは、試合やトレーニングのなかで、一番いいプレーが選べることです。話しをするときに、頭の中で考えを整理して説明したほうが、相手に伝わりやすいように、サッカーのプレーも同じだということを覚えてくださいね。頭を使ってロジカル(論理的)に考えて、相手をだましながらサッカーをする。だから、適当にボールを蹴っているだけではダメなんですよ。考えてプレーすることが大事だということを覚えてください!」と須田コーチは子どもたちにアドバイスします。
低学年の子どもたちには、すこし難しいテーマだと思われてしまうかもしれませんが、参加した子どもたちは、練習問題や画面に映し出されたサッカーの場面を見つめながら、自分のアイデアを提案しながら解いていました。それに対して、保護者の皆さんは耳を傾けながら、うまく説明できないときにはヒントを与えることによって問いかけ、その取り組んだ姿勢に対して評価をしている様子が目立ちました。
ここまでで、子どもたちは「おやすみなさい!」をします。けれども、サカイクキャンプは、まだまだ続きます。次回は、このあとに行われた「保護者ためのセミナー」の模様をお届けします。
●須田 敏男//
・現 職:シンキングサッカースクールコーチ
・資 格:JFA公認A級ライセンスU-12
JFA公認キッズリーダーインストラクター
・指導歴:バイヤー04レバークーゼン ユースアカデミーコーチ
福島県トレセン U-13コーチ
福島県トレセン U-11チーフコーチ
福島ユナイテッドFC U-15監督
取材・文/山本浩之 写真/サカイク編集部
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