知ってるようで知らない!正しいサッカーシューズの選び方
2015年12月 4日
足にフィットする靴とは? 正しいシューズを選ぶ3つの基準
お子さんの足について、あなたはどの程度知っていますか? サイズはわかりますか?甲の高さは? 幅は広いですか? 身長が伸びるように、足も成長しています。「すぐに大きくなるから......」と大きめの靴を履かせてはいませんか? 7歳から12歳はもっとも足が成長する期間だと言われています。子どもに適した靴を選ぶために、足について考えてみましょう。(取材・文 前田陽子 取材協力 アディダスジャパン)
■親世代に比べ、足が細くなってきている
「子どもたちの成長が早くなってきていて、体全体がスラリとしてきています。この傾向は足にも当てはまります。縦に長く幅が狭いという、ヨーロッパ人によくある形に近づいてきているように見受けます」と福林徹先生。福林先生はフランスワールドカップの際には日本代表に帯同した整形外科医で、現在は早稲田大学スポーツ科学学術院の教授でもあります。
足がもっとも成長をするのは小学生です。足全体で土を踏みしめたり、指を動かすなどの足の運動を十分行うことで、足も正しく発達します。足の発達に最も影響を与えるのが靴。特に小学生年代は、発育環境が異なるので年齢が同じだからと言って、安易に周囲と同じサイズ、同じ靴を選ぶのは避けなければいけないのだそうです。「一般的に小さい靴を履いていると、つま先が圧迫されて怪我をすることになります。また、大きすぎると緩みが原因で足が固定できず、足首の捻挫の原因になります。」(福林先生)
サッカーシューズのサイズや硬さが合わないことで起きやすいのが、足底筋膜炎。走る、止まる、蹴るなどサッカーには必要不可欠なこの動作によって、足底の筋膜が炎症を起こし痛くなります。また、アキレス腱の断裂や炎症、股関節、ひざにも影響がでるので、フィットしたシューズを履くことはとても大切。サイズの合わないシューズでプレイをしていて滑って転倒、靭帯を断裂というのは少なくない事例です。
■正しいシューズを選ぶ3つの基準
「靴のサイズを見るときのポイントは、①かかとが動かないこと②足首の屈曲のポイントがあっていること③足の甲がフィットしているのかの3点です。足の形はひとそれぞれなので、いろいろな靴を試してみることが大切です。価格ではなく、足型に合ったものを選ぶようにしてください。」(福林先生)
ただし、甲のフィット感を重視して靴ひもをきつく締めるのはNG。成長段階にあるので、きつすぎず、ゆるすぎない=走りやすい強さでひもを結ぶこと。そのためには、靴全体が足を包み込むようなソールの形状が大切になります。
また、足の幅や甲の高さなど、足の形は遺伝するのだそうです。小学生のころを振り返って、自分が靴選びで悩まなかったかを思い出してみてください。足の指が靴に当たって痛かったなどの経験があれば、子どもも同じことで悩んでいるかもしれません。
■「欧米ブランドは日本人向けではない」その俗説は崩れつつある
"欧米ブランドのシューズは細いから、日本人向きではない"という俗説をよく聞きます。私たち親世代は、実際に履いてみてそう感じ、"デザイン性では欧米ブランドがいいけれど、子どもの足のことを考えたら日本ブランド"と考えてきました。けれど、子どもたちの足の変化、各ブランドの努力により、その俗説が崩れつつあります。
アディダスはこの冬発表するシューズより、日本人に合わせて開発した足型とアウトソールを搭載したモデルに子ども向けサッカーシューズを一新します。日本人の子たちにフィットする足型を実現するために、5年間で2000人の子どもの足を測定し分析。その数値を元に日本人の子どもたちに最も適した足型とアウトソールが出来上がりました。これにより、履き心地の良さが飛躍的に向上。これまで足型が合わないと諦めていた、メッシ選手といった憧れの選手のモデルでプレイすることも可能になります。
「サッカーは走る、止まる、蹴るという、足で行えることすべてを行うスポーツ。だからこそ、衝撃を分散し、成長期の足の負担を減らしてあげることが必要」と福林先生。そのためには、前述した通り、シューズが足にぴったりとフィットすることが重要になります。これまでの世界共通のソールから日本人の子どもに特化したソールになったことで、子どもたちの怪我などのリスクを減らし、プレイの幅を広げることができるはずです。機能面は日本人の子どもたちに合わせていますが、デザインは世界基準。子どものために、日々のサッカーが楽しく、意欲的になれるシューズを選んであげませんか?
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