少年サッカーあるあるお悩み相談室
2016年10月 4日
「〇〇、シュートだよ!」と大声で指示を出すお父さん、周囲の大人はどう対応するべき?
「〇〇、シュートだよ!」「〇〇、パスなんかしないで自分で行け!」
ピッチサイドでわが子を静かに見守りたいのに、ある親御さんがピッチサイドから、少しばかり度を越えたような大きな声を張り上げて、わが子に指示を繰り返している光景はよくあるもの。
ただ、周囲の親御さんのなかには、その光景をみて
(もう少し周囲に配慮した応援の仕方はできないものだろうか......)
と困惑している人も少なくないかもしれません。こういうケースでは、周囲の大人はどう対応すればよいのでしょうか。
東京都武蔵野市の強豪町クラブ関前SCを率いて約25年、教え子になでしこジャパンの岩渕真奈選手や多くのJクラブ下部組織でプレーする選手を指導してきた小島洋邦さんに解決策を伺いました。(取材・文 杜乃伍真)
■コーチと一緒に見守りましょう
小島さんは言います。
「一つの解決策としては、親御さん同士で解決するのではなく、コーチから対応してもらうことがベストだと思います。子どもに対して、ピッチサイドからお構いなしにあれこれ指示を出してしまう親御さんは昔からいるものです。そういう親御さんに対して、親御さん同士で解決しようとすると話がこじれてしまう可能性が大いにあります。そうではなく、信頼できるコーチにその状況を伝えて、コーチから対応してもらうのがベストだと思います。いまは日本サッカー協会が発行している指導ガイドのなかにも、ピッチサイドで罵声のような応援をしてしまう親御さんの対応策もしっかり書いています。コーチとしては注意するというよりも一緒に見守りましょう、とニュアンスでその親御さんに『こんなものも発行されているので参考にされてみてはいかがですか?』『冷静にお子さんを見守ってあげてはどうですか? そのほうがお子さんはきっと伸びますよ』というように指導ガイドを渡して、その親御さんに一度立ち止まって考えてもらえるように促す、という解決の仕方がベストなのではないでしょうか」
もちろん、それでもコーチの言うことを聞いてくれない親御さんもいます。
「もしもその親御さんに『日本サッカー協会の考え方が間違いなんだ』『俺のほうが考え方としては合っているんだ』などと反論されてしまうと、なかなか難しいところはあると思います。そういう場合、私は『あなたも自分が小さいときに親御さんにあれこれ指示を出されていたとしたら嫌でしょう?』というように、一度、客観的に自分自身を見てもらうことを勧めるのですが、そこまで言ってわかってくれる人もいます。極端な話、その親御さんが子どもと一緒にチームを辞める、という状況にまで発展する可能性もあるので、この問題は覚悟を決めて対応しないといけないと思います」
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