少年サッカーあるあるお悩み相談室
2016年10月11日
試合会場までの移動中に子どもたちが大声で騒ぎ出したら、どう対応するべき?
子どもたちが他のチームのグラウンドに行って試合をするときには、公共交通機関の電車やバスを使って移動することがありますが、このとき、子どもたちが辺り構わず大声で話したり、騒がしい態度をとったりしてしまい、周囲に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
帯同する親としては、子どもの騒がしさが限度を越えたときには注意をする必要があるとわかっていても、なかなか子どもたちが言うことを聞かずに困ってしまうこともあるかもしれません。
こういうとき、親としてはどう対応すればよいでしょうか。
東京都武蔵野市の強豪町クラブ、関前SCを率いて約25年。教え子になでしこジャパンの岩渕真奈選手や多くのJクラブ下部組織の選手たちがいる小島洋邦さんに話を聞きました。(取材・文 杜乃伍真)
■親が注意したときに、それを子どもたちが聞いてくれるか
「ぼくは普段、チームで厳しく子どもたちに接しているので、ぼくの目の前では子どもたちは大人しいのですが、いざぼくの目から離れて、お母さんたちと一緒に行動しているときなどに羽目を外して騒いでしまうこともあるのはよくわかっています。それはどのチームでもありがちな光景だと思います」
小島さんはそう前置きしたうえで、こう続けます。
「子どもが公共交通機関で移動するときに一言も話さないなどというのは無理がありますし、黙っていろ、というのも乱暴な解決の仕方でしょう。ただ、大人の目線から見たときに騒がしさの限度を越えているときもあると思います。そのときはまず帯同している親御さんがしっかりと注意するのは当然のことです。子どもたちが『〇〇のお母さんは怖い!』などと言っているとしても、子どもの安全や公共の場所であることを踏まえれば当たり前のことです。ただ、ここで大事なのは、親御さんに注意されたときに、子どもたちがその注意の一言だけで“わかってくれる”ことです。自分たちが騒いでしまったことを反省し、その後は子ども自身が自制できるチームかどうか、ということがポイントになると思います」
■ピッチ外の子どもたちの行動にこそ、周囲の大人たちの責任が問われる
小島さんは、グラウンドの外での光景にこそ普段のチーム作りが出る、と言います。
「たとえば、近郊のチームに自転車で移動するときも、子どもたちが道幅いっぱいに何列にも広がってほかの歩行者の邪魔になりながら移動するのか、一列か二列になって整然と並んで移動できるのか、そこにチームのカラーが出ると思うんです。そういうグラウンド外の子どもたちの行動に、チームの代表者がどれだけ責任を持っているかがよく出るはずです。子どもたちにサッカーを教える前に、人様の子どもを預かるわけですから、万が一でも事故を起こさせるわけにはいきません。公共の場所で子どもたちがどういう行動をとればいいのか、親御さん以上にチームのコーチが注意を払い、普段から指導しないといけないし、それが地域のサッカークラブを運営するうえでの責任だと僕は思っています。コーチからそのような指導が子どもにあったうえで、それでも子どもたちがグラウンド外で限度を越えて騒ぎ、コントロールできない状態があるのならば、遠征するときに帯同する親御さんやコーチの数を増やすとか、遠征そのものを取りやめるとか、チームでしっかりとルールを決めて対応する必要があると思います。『お前たちが騒いでいるから遠征することはできない』という社会のルールをしっかりと、そして厳格に、子どもたちに伝える責任が寄り添っている大人たちにはあると思います」
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