世界を見てきたコーチが語る。いま求められる守備の指導法
2017年11月16日
「日本の多くの選手は守備の仕方を知らない」世界中で指導してきたコーチが気づいたこと。
スペイン・バルセロナを拠点に、世界中のクラブ、選手の指導&コンサルティングを行っているサッカーサービス。選手の認知力・判断力・実行力を育成する彼ら独自の指導法「エコノメソッド」は、フィンランドサッカー協会やタイサッカー協会、フランスの名門パリ・サンジェルマンなどに全面導入されています。
世界中で指導を行ってきたサッカーサービスだからこそ語れる、日本サッカーの課題である「守備」の指導法について、これから数回に分けて詳しくお届けしていきます。
(この連載は2016年5月に開始したメールマガジン「知のサッカー:守備」の内容を転載したものです)
次回>>「バルサの闘将」も学び続けていた『守備における個人戦術』
サッカーを愛する指導者のみなさん、こんにちは。
サッカーサービスのフランセスク・ルビオ・セダノ。通称"フラン"です。
この連載では「指導者としてもっと向上したい!」という、あなたの気持ちに応えられるよう、スペインやヨーロッパのトップレベルで採用されている指導のノウハウを、お伝えできればと思っています。
■サッカーサービスとは?
まずは、我々サッカーサービスのことを紹介させてください。
我々はスペインのバルセロナを拠点にヨーロッパやアジア、北米などでクラブのコンサルティング、選手の指導を行っています。
サッカーサービスのメンバーには、FCバルセロナのアカデミー監督時代にジェラール・ピケやジョルディ・アルバなどを指導し、現在はパリ・サンジェルマンの育成部長を務める、カルレス・ロマゴサ。ヨハン・クライフ大学やカタルーニャサッカー協会でコーチングアドバイザリースタッフを務め、FCバルセロナやスペイン代表の『闘将』と呼ばれた某選手の個人コンサルティングを担当したダビット・エルナンデスなどがいて、欧州トップレベルの日々進化する指導メソッドを、世界中の選手、指導者に提供しています。
日本でもサッカースクールや選手コンサルティング、指導者講習会を通じて、多くの指導哲学、メソッドをお伝えしてきました。
その根底にあるのは『賢い選手を育てること』です。
日本の指導者向けにDVD『知のサッカー』を発売し、1巻は正しい認知・判断・実行を鍛えるための段階的なトレーニングプログラムを紹介。2巻ではJリーグの試合映像をもとに、サッカーのあらゆる局面における「正しい判断」「正しい動き」を分析し、13歳までに身につけたいプレーを解説してきました。
(現在はパリ・サンジェルマンの育成部長を務めるカルラス・ロマゴサ氏)
■我々が日本での指導で気づいたこと
我々は2011年の来日以降、下はジュニアから上はJリーガー、日本代表まで、数多くの選手、チームを見てきました。また、2015年まで日本サッカー協会のコンサルティングプロジェクトディレクターも務め、私はJFAアカデミー福島でU-13の選手たちを指導してきました。
そこで、気がついたことがあります。
それは、日本の多くの選手は守備(ディフェンス)の仕方を知らない、ということです。
おそらく、この連載を読んでいるあなたは、この考えに同意してくれるのではないでしょうか。そして、守備を向上させたい!という想いをお持ちなのではないでしょうか。
日本サッカーの課題であり、レベルアップが急務である守備について、我々はいくつかのアイデアを持っています。これはヨーロッパのトップレベルの選手が実行しているコンセプトであり、日本代表の選手であっても知らない、あるいは理解していないものが含まれています。それを、この連載を通じて、お教えしていきたいと思っています。
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