世界を見てきたコーチが語る。いま求められる守備の指導法

2017年12月 5日

U-13年代で学ぶべき守備のトレーニングコンセプト

続いて、U-13年代における「味方のサポートがある状態での守備」について説明していきたいと思います。

2.味方のサポートがある状態での守備

マーク

●守備のトライアングルを正確に行う

●ゴールに近づくにつれ、相手との距離を縮める

●相手とゴールの間にポジションをとる

●相手のマークを外す動きを、体を利用して防ぐ

試合中、相手チームのボールホルダーが、プレッシャーがかかっていない状態で、パスを出す選手(受け手)を探す状況があります。そのときに、守備側の選手はボールホルダーとマークするべき相手(受け手)を同時に見ることのできる位置関係と身体の向きを作ります。ボールホルダー、自分、マークすべき相手の3人でトライアングルを作るような位置関係が理想です。

(トライアングルをつくるトレーニング。DVD「知のサッカー第3巻」より)

さらに、基本のポジションとしては、相手とゴールの中心を結んだライン上に立つこと、そして相手がゴールに近づくにつれて距離を縮めて、ペナルティエリアの中では「相手を手で触ることのできる距離」を保ちます。そして、相手がマークを外そうと動いてくるところを 腕や体を使って防ぎます。

カバーリング

●味方のポジションを確認し、カバーリングの範囲を調整する

●マークする相手のポジションにより、カバーリングを調整する

●ディフェンス間のギャップを優先して守る

●100%の力でポジションに戻る

味方のサポートがある状態では、それぞれがプレーするエリアを決め、相手選手の位置に応じてカバーリングを調整します。このときに、選手間にできたギャップを埋めるようにポジションを取り、背後にいる選手へのパスコースを閉じたり、相手にプレーさせるエリアを作らせないようにします。
もしプレスをかけた結果、背後を突破されてしまったら、100%の力でポジションに戻ります。これはカルレス・プジョルが得意とするプレーです。

ここまでが、U-13年代で身につけるべき、守備時のコンセプトです。

具体的にどのような練習メニュー、コーチングを通じて選手を向上させていくかは、DVD「知のサッカー3巻」を参考にして頂けると、わかりやすいかと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回は「U-18年代の守備コンセプト」についてお伝えします。

グラシアス、アデウ!
(注:カタルーニャ語でありがとう、さようならの意味)

サッカーサービス "フラン"(フランセスク・ルビオ・セダノ)より。

 

フランセスク・ルビオ/Francesc Rubio Sedano

サッカーサービス社の分析、コンサルティング部門責任者として、選手やクラブ育成コンサルティング業務を担当。C.Fカン・ビダレットの下部組織(U-18)の監督、コーディネーターと、カタルーニャサッカー協会技術委員を兼任。2014年までJFAアカデミー福島U13の監督も務めた。

第1回>>「日本の選手の多くは守備の仕方をしらない」
第2回>>「バルサの闘将」も学び続けていた『守備における個人戦術』
第3回>>「チームの守備コンセプトをしっかり選手に伝える」それが指導者の仕事


 

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