教えて西部さん! 初心者の素朴な疑問に答えたサッカー観戦Q&A

2018年6月 6日

あれだけゴールが大きいのに、シュートが入らないのはなぜ?

それでは次の質問と回答をどうぞ。


Q.サッカーって、点が入らないのにどこが面白いのですか?

A.ゴールシーンしか興味ない人はサッカー観戦に向いていません。


【西部さんの解説】

サッカーは90分間で得点が入るのは3回ぐらい。多くても10回を超えることはほとんどありません。ボールゲームの中でも非常に得点が少ない。ですから、得点だけしか楽しめない人はサッカー観戦に向いていないと思います。そういう人はもっとたくさん点が入るバスケットボールとかのほうがいいんじゃないでしょうか。

実はサッカーの面白さは得点の有無とはあまり関係がありません。もちろん点をとるためにプレーしているわけですが、そこまでの過程が面白いんです。守備側は得点させないようにしますから、そのせめぎ合いですね。ただ、サッカーの面白さはそれだけではありません。

「片足でボールを扱うので、片足で立っていなくてはならない。そのバランス(アンバランス?)がサッカーの面白さではないか」

ペレはそんなことを言っています。正直、何を言いたいのかよくわかりません。

ただ、サッカーの王様がそう言うのですからそうなのでしょう。ボールタッチの美しさに感じ入る人もいるでしょうし、必死に戦う姿に打たれる人もいるでしょう。ゴールシーンは確かに素晴らしいですが、それ以外にもいろいろな面白いものが転がっている。ペレのようにボールを扱う姿勢そのものに深淵をのぞきみる人もいるかもしれません。いろいろなものが見つけられるから、サッカーは面白いのだと思います。


ゴールシーンはクライマックスではありますが、つけ足しみたいなものです。例えばですね、サスペンス・ドラマで冒頭に事件が起こるとしましょう。で、1分後に「犯人はお前だ!」と刑事が叫び犯人が捕まる。これ、全然面白くないですよね。事件から逮捕までにいろいろな推理があったり、格闘シーンや人間ドラマがある。それでようやく犯人逮捕というクライマックスに至る。その過程が面白いわけです。はい事件、はい逮捕、また事件、はい速攻逮捕......こんなんで50人も犯人が捕まるドラマ見て、面白いですか? まあ、犯人が誰だかわからないままドラマが終わったら苦情の電話をするかもしれませんが。

ゴールは犯人逮捕のクライマックスシーンだと思ってください。点が入ればいいってもんじゃない。その過程を楽しむんです。逆に言うと、なかなか点が入らないから面白いのかもしれません。

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