教えて西部さん! 初心者の素朴な疑問に答えたサッカー観戦Q&A

2018年7月 6日

オフサイドルールがわからない! あれが無くなればもっとサッカーがわかりやすくなるのでは?

それでは次の質問と回答をどうぞ。


Q.オフサイドルールがなくなったら、もっとわかりやすくなるのに。

A.わかりやすくなりますが、つまらなくなると思います


【西部さんの解説】

サッカーで唯一わかりにくいルールがオフサイドでしょう。これまでルール改正も何度か行われていて、オフサイドの基準は緩和されてきた歴史があります。ただ、なくなることはないと思います。つまらなくなっちゃうんですよ、プレーしていても見ていても。

70年代半ばに北米サッカーリーグというのがありまして、アメリカ合衆国とカナダでプロリーグを作っていました。ペレ、ベッケンバウアー、クライフといった当時のスーパースターもプレーしています。一時は話題性もあって盛況だったのですが、結局は消滅してしまって、現在のMSLは新規に立ち上げたリーグです。北米リーグが衰退した原因の1つとして、あまりにアメリカナイズしすぎてしまったことがありました。その1つが、独自のオフサイドラインです。

ハーフウェイラインとゴールの中間ぐらいにラインを引いて、そこまではオフサイドが適用されないという独自ルールを採用していました。米国人はサッカーにあまり馴染みがないので、「オフサイドなんかなくていいんじゃね?」という意見があったようです。オフサイドを緩和して、どんどん点が入ったほうが面白いという考え方ですね。

しかし、そうするとそのライン(35ヤードラインと呼んでいました)より前へ、DFは上がろうとしなくなります。だって、そこまではオフサイドが適用されないのだから、うっかり前に出てしまったら残っているFWがフリーになっちゃいますからね。そうすると全体が間延びしてしまって、攻撃も守備もかえって面白くなくなってしまう。大味な感じになってしまうんですね。

現在のオフサイドルールは1925年に改正されたもので、もう90年やっていますから、たぶんこの先もこのままなんじゃないでしょうか。

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