教えて西部さん! 初心者の素朴な疑問に答えたサッカー観戦Q&A

2018年7月24日

実況解説でよく聞くけど「裏」って、どこのこと? 「表」はあるの?

息子・娘がサッカーをやっているけど、サッカーのことがよくわからないお父さん・お母さん。

専門書は難しいし、試合を見ているだけでは中々理解が進まない。子どもが好きなサッカーを一緒に楽しみたいんだけど......というあなたにおススメ!

「あんなにゴールが大きいのにシュートが入らないのはなぜ?」
「4-4-2、4-3-3て何の数字?」
「裏ってどこのこと? 表はあるの?」

といった、いかにも素人なザックリとした質問や、予想のななめ上をいく珍問・奇問に、戦術解説の第一人者、西部謙司さんがサッカーの本質を噛み砕いて説明します。

サッカーのどこをどう見れば楽しいか、これを見れば手っ取り早くわかります。

代表の試合やスーパースターのニュースは見るけど、わかりやすいプレーの場面しか理解できない人、サッカー好きと、そうでもない人をつなぐコミュニケーションのヒントに!! ぜひお子さんとも一緒にお楽しみください。


それでは今回の質問と回答をどうぞ。


Q.スペースとかゾーンって、どこのことを言ってるの?

A.それは場合によりけりです。


【西部さんの解説】

スペースとは「空間」ですから、空いている場所です。よく「スペースがない」と言われますが、厳密に言えばフィールド上に全く空間がないほど人間が埋め尽くしているわけではない。「スペースがない」は、余裕を持ってパスを受けられるほどの空間がないという意味で使われています。

ですから、パスを受ける人の技量によってスペースの有無は変わってきます。ある人には2メートル先に相手選手がいるだけで「スペースがない」と感じても、技量の優れている選手にとっては十分「スペースがある」ということになります。

(C)高田桂

スペースのあるなしは個々の技量やそのときの状況で変化するので、何メートル四方でスペースがあるというような話ではありません。

ゾーンも場所を表す言葉ですが、スペースよりも区分けされた場所を意味していて「地帯」「地区」と訳されています。

サッカーでは例えば、「アタッキング・ゾーン」といえば、フィールドを三分割したときに相手ゴール側の三分の一の区域を指します。

ゾーンディフェンスのゾーンは、具体的な場所を指しているのではなく、区分けされた地域を担当する守備方法のことです。相手選手をマークするマンツーマン方式ではなく、予め割り振られている場所を守り、そこへ入ってくる相手をマークします。

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