お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
2023年9月 7日
低学年から実践できるターンの基本技術を磨く!大人数のチームでも効率よく反復練習ができるトレーニング法
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
今回のテーマは「ゲームで使えるターンの基本トレーニング」。ジュニア年代では、相手を背負った状態でボールを受ける際、相手がいるのにターンをしてボールを失ったり、相手が触れる場所にボールを置いて取られてしまう、進む方向が相手に分かりやすいため、プレッシャーをかけられてしまうといった現象が起きる。
それらの課題を解決するために、フットサルFリーグのエスポラーダ北海道でプレーした経験を持つ、トロンコフットボールアカデミーの佐々木洋文コーチに、ターン技術習得のトレーニングを実施してもらった。
サッカー・フットサルをする上で、重要な技術のひとつであるターンを、どのようなトレーニングで身につけていくのだろうか?(文・鈴木智之)
試合で頻出するターンの基本的なスキルを習得するドリルトレーニング
元Fリーガー、佐々木洋文コーチによるターンのトレーニング。1つ目は「3つの基本的なターンの習得」をテーマに実施していく。
「ターンドリル(コントロール→ターン)」では、対面の選手にパスを出し、ボールを受けた選手が中央のゾーンの中でコントロールし、逆側を向いてドリブルで進んでいく動きを繰り返す。
ターンの種類としては、インサイドターン、アウトサイドターン、足裏ターン、ターン+フェイントの4種類がある。
佐々木コーチは「相手を背負っている状況をイメージして、スピードを上げずにボールを受けに行き、観ることを促しながら、正確にターンすることを心がけましょう」と、指導を実践する際のアドバイスを送る。
子どもたちには「一つひとつのプレーに対して、どうすればうまくいくかを考えよう。コントロールの前に観ておくことにチャレンジしよう」と、観ることの重要性を伝えていく。
さらに「ボールを受ける前に、一回は後ろを確認できるようにしよう」「ターンした後はスピードを上げよう」とポイントをわかりやすく提示。
試合のどのような場面で使うプレーなのかを説明することも重要で、「センターバックからボランチがボールを受けに行く状況」と説明し、「まずは背後を観て、マークがついているかを確認すること。ターンをする際には慌てず、インサイドでコントロールすることを心がけよう」と具体的なプレーの仕方を教えていった。
続いて、アウトサイドでターンをする動きにトライ。佐々木コーチは「相手を背負っている状況をイメージして、ボールを隠してターンできるように」と声をかけていく。
次は足の裏でターン。ボールをコントロールするときは、足の裏かインサイドでキャッチするようにうながしていく。
「しっかりキャッチしてから、相手をイメージして、ボールを隠しながらターンできるようにしよう」
アウトサイド側にターンするときは、足裏でボールを引いて回ること。インサイド側にターンするときは「相手から隠したまま、ボールを上からなぞる」とデモンストレーション。
最後はフェイントを入れてからコントロールし、好きな形でターンをする。
「ターンをした後、スピードを上げよう。運ぶ方向をつけて、マーカーの間に進めるようにコントロールしよう」
ファーストタッチで相手のプレッシャーを外すターン
2つ目の動画は「相手のプレッシャーを外すターン」をテーマに「ターンドリル(角度なし)」を実施。設定は同様で、ボールを受ける際にターンをしてマーカーの間を通り、逆側にドリブルをする。
ターンの種類としては、インサイドターン、アウトサイドターン、足裏ターン、後ろ通しの4種類がある。
最初のトレーニング同様、ボールに近寄りながら観ることや、ボールを相手から隠してコントロールすること、ボールから離れないように移動することがポイントだ。
「ターンした後、スピードを上げてドリブルに入ろう。ボールに寄りながら、周囲を観ることは継続してやろう」
ここでは「ボールと自分が一緒に進んでいけるようにターンしよう」とデモンストレーション。「ディフェンスに入られないように、自分とボールの間に隙間を作らないように」とポイント落とし込んでいった。
アウトサイドターンでは「ターンの後のスピードをアップさせること」を強調。ボールを受ける際は、数歩ボールに近づき、受ける瞬間にスピードを落として止まることで、ターンがしやすくなるといったアドバイスをしていた。
続く足裏ターンでは「ゆっくりではなくキュっとやろう。キレがあるといいね。相手を置き去りにできるように」とイメージを伝え、後ろ通しターンでは「軸足の後ろにボールを通し、インサイドでボールにタッチしてターンをする」というプレーをデモンストレーションしていった。
以上でターンのトレーニングは終了。ターンは基礎であり普遍的な技術なので、年齢が低いうちに身につけておくにこしたことはない。その意味で、このトレーニングはルーティンとして取り入れるのもいいだろう。
ターンのバリエーションが増えれば、前を向いてプレーする機会が増える。子どもたちはよりサッカーが楽しめるはずだ。
【講師】佐々木洋文/
1982年7月19日、北海道旭川市生まれ。
北海道旭川工業高等学校を卒業後、フットサルを本格的に始め、DC旭川フットサルクラブでは全国優勝を2度経験。2009(27試合9ゴール)・2010(25試合4ゴール)シーズンはエスポラーダ北海道の選手として、Fリーグ53試合に出場。2010年に引退後はエスポラーダ北海道スクールのコーチとして指導者に転身し、2016年には、生まれ育った旭川のフットボールの発展に貢献すべく「トロンコフットボールアカデミー」を設立。
2023現在では旭川地区トレセンのコーチも務める。
JFA公認フットサルB級、JFA公認サッカーB級ライセンス保有