お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集

2024年1月 4日

ビギナーコーチが明日から実践できる!次のプレーを意識した、ボールを受ける際の体の向きとボールの置き所

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

今回のテーマは「攻撃方向を意識したパス&コントロール」。低学年では、止める・蹴るの技術はもちろん「何のためにそこにボールを止めるのか?」「どんなパスをしたら、仲間がプレーしやすいのか?」などの理解にアプローチしたい年代でもある。

そこで、水戸ホーリーホックや東京ヴェルディといったJクラブのアカデミーを始め、育成年代の幅広い指導経験を持つ、ブロッソンフットボールクラブ アカデミーダイレクター兼U15コーチの堀中陽介氏に、トレーニングを実施してもらった。

堀中氏は、U-10年代の子どもたちに対して「パス&コントロール」を身につけるために、どのような指導を行うのだろうか?(文・鈴木智之)

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基本的な止める・蹴るを丁寧にトレーニング

最初のトレーニングのテーマは「意図した場所にボールを止める」。ボールを止める、コントロールすることは、オンザボールのプレーの第一歩だ。

まずは2人組で行う「パス&コントロール」で、技術面にアプローチしていく。堀中コーチは「このトレーニングでは、ゴールを目指すために、前を向く、前に進むためのパスとコントロールを習得することが目的です」と説明する。

「ここでは、次に蹴りやすい位置にボールを置くコントロールにフォーカスしていきます。そして、コントロールからパスまでを丁寧に行うこと、逆足でボールを受ける意識を持つことも目的としています」

設定としては、6mの距離で離れて実施。向かい合って立つ選手の間に、1m間隔でミニコーンを設置し、コーンの間へパスを出し、受け手はコントロールした後、コーンの外からパスを返す。

堀中コーチは「落ち着いて。急がなくていいから丁寧に」と声をかけ、「ボールが来た時に、どこにコントロールして蹴るか。足元に入ってしまうと、コーンの外からパスを出せないので、ボールが来たら大きく動かして、味方とのパスラインができたらパスを出そう」と、デモンストレーションを交えながら説明。このアドバイスによって、プレーに正確性が増していた。

次に「コントロールして顔を上げて、仲間を観てパスを出そう。ファーストタッチで大きく動かして、2タッチ目でボールを蹴ろう」とフォーカスするポイントを変えていく。

続いてはコーンの外でボールを受けて、内側にコントロールして、パスをコーン間に通すプレーにトライ。

「さっきと逆のやり方です。コーンの外側でボールを受けて、内側にコントロールしよう」とデモンストレーション。

また、ボールの受け手に対して、欲しいタイミングで呼び込むことの重要性も伝えていく。

「コントロールからパスまで丁寧に。パスは転がしてあげよう」「どこにボールを置くと、次に蹴りやすい?」など、わかりやすい言葉で意識付けする姿が印象的だった。

次のプレーを意識したコントロールからのパス

続いての動画のテーマは「次のプレーを意識した体の向き」。トレーニングは「ひし形のパス&コントロール」を実施。

堀中コーチは「角度がついた状態になったので、次にパスを出す方向を意識したコントロールと遠い足へのパス。そして遠い足でのコントロールを意識することで、オープンな体の向き、視野を確保できるようになります」と説明。

ここで堀中コーチが強調したのが、来たボールに対して、次の人に出しやすいところにコントロールすること。「遠い方の足でボールを受けて、前に出して、味方をしっかり観ることが大事」とアドバイスを送っていく。

「できれば2タッチでプレーするよ。次の人がどこにいるか、見えている?」

そのために大切なのが、ボールを置く位置。自分の斜め前にボールをコントロールするために、パスを受ける際に、出し手の方へおへそが向きすぎていると、コントロールが難しくなる。

そのため、次にパスを出す味方の方へ、体の向きを作りながら、ボールを受けることをデモンストレーションしていた。

以上で前編のトレーニングは終了。一度にたくさんのことを教えず、ポイントを絞って伝える姿が印象的だった。

また、上手くできたときに褒める声かけや、失敗してもいいので、チャレンジをうながす声かけをすることで、子どもたちのモチベーションアップに繋げていた。

トレーニングの内容に加えて、声かけの内容や姿勢に注目し、指導の参考にしていただければと思う。

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【講師】堀中陽介/
常総学院高校サッカー部コーチで指導者としてのキャリアをスタート。
水戸ホーリーホックスクールコーチ、ジュニアユースコーチを経て、その後、東京ヴェルディや文教大学体育会サッカー部などでも指導を行い、育成年代での幅広い指導歴を持つ。
現在は、ブロッソンフットボールクラブのアカデミーダイレクター兼U15監督を務めている。

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