お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集

2024年10月17日

ジュニア年代で理解したい「人と場所を守る」ゾーンディフェンス!ゴールへの近道をふさいでボールを奪う!

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

前回より、GO FORWARD愛知の対馬武志コーチによる「人だけでなく、場所も守れるようになるゾーンディフェンスの基本」をテーマにしたトレーニングを紹介している。

過去に対馬コーチが出演した、守備をテーマにした動画は、上半期人気動画1位に選ばれるなど、ユーザーから好評を博している。

今回はその発展型として、低学年にゾーンディフェンスの基本的な考え方を落とし込むためのトレーニングを実施してもらった。

動画後編のテーマは「場所から守り、ボールを奪う」。はたしてベテランコーチは、低学年に向けて、人へ行くのか、ゾーンを守るのかの判断を、どのようなトレーニング、コーチングで指導していくのだろうか?(文・鈴木智之)

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人に行くのか、場所を守るのかを判断しボールを奪う

COACH UNITED ACADEMY動画のテーマは「人だけでなく、場所も守れるようになる、ゾーンディフェンスの基本」。ゾーンディフェンスに必要な「場所から守り、ボールを奪う」ことをトレーニングするために、「2対2+2サーバー」のトレーニングを行う。

対馬コーチは「このトレーニングでは、守備側は2対3+1と数的不利な状況です。 そのため、ボール保持者へのプレッシャーのかかり具合によって、 ボールを奪いに行くのか、サーバーにパスを入れさせないようにするのかを判断できるようにしていきます」と説明。

さらに、「このトレーニングにおいて、守備側の選手たちには、3つの大事なことを学んでもらいます」と話す。

その3つとは「ボール周辺の雲行きを観察すること」「ボール保持者にプレッシャーをかけること」「サーバーへのパスコースをふさぐこと」だ。

COACH UNITED ACADEMY動画では、それぞれのトピックについて、対馬コーチが解説しているので、詳細は動画を確認してほしい。

「2対2+2サーバー」のトレーニング。ルールとしては、それぞれのチームに攻撃方向があり、攻撃方向前方のサーバーにパスを通すと得点となる。その際、後ろのサーバーを攻撃側の一員として使用することも可能で、「サーバーからサーバーへのパスもアリ」という設定だ。

対馬コーチは、子どもたちのプレーを観察し、寄せのスピード、2人目の選手がサーバーへのパスコースを切る位置に立つとともに、1人目のDFが抜かれた際のポジショニングに言及。さらに、良いプレーが出ると、大きな声で褒め、集中力を高めていく。

ほかに、攻撃の選手に対して、サーバーへのパスコースができるような立ち位置、身体の向きをアドバイス。

「誰を見たいんだっけ?」「どこにいくと、もっと見やすくなる?」と声をかけ、適切な位置へ導いていく。このあたりの声掛けのテンション、内容は非常に参考になる。

守備側には「ゴールへの近道は空けない」「サーバーへのパスコースを閉じる」といったポイントをわかりやすく提示。また、ボールを奪いに行けないときは、サーバーへの縦パスを入れさせないように「場所を守る」とアドバイス。

「人ばかり見ていると、縦パスを入れられるよ」と声をかけ、「サーバーへの近道をふさぐことで、相手がサイドにパスを出すので、そこにアプローチをかけること」を、順を追って、低学年にもわかりやすく説明している。このあたりは動画で確認してほしい。

ゲームの中で取り組んできたことを確認、整理する

トレーニングの最後は「ゾーンディフェンスの実践」をテーマに「3対3+GK」を実施。

対馬コーチは「子どもたちはゲームが始まると、トレーニングで積み重ねてきたことを忘れてしまうこともあります」と話し、次のようにポイントを提示する。

「自分がマークする相手に気を取られすぎるなど、トレーニングで行ってきたことに対する意識が弱いと感じた時には、 ゲームを止めて、トレーニングで行ったことを思い出させてから、再びゲームを行ってみましょう」

「ゲームを見る際のポイントとして、ボールから遠い選手がどんなポジションを取っているか、自分がいる位置よりもボールが自陣ゴールに近い位置に行ってしまったら、ボールよりも自陣ゴール側に戻ろうとしているか、などにも気をつけましょう」

トレーニングの詳細は動画に譲るが、トレーニング終了後、対馬コーチは「今日は何を学んだ?」「コーチはどんなことを言っていた?」「何を感じた?」と問いかけ、選手の考えを引き出していった。このあたりのミーティングの進め方、ポイントのおさらいも参考になるだろう。

動画の最後には、対馬コーチからCOACH UNITED ACADEMYユーザーに向けて、トレーニングの振り返りと指導のポイントを改めて整理している。ぜひ動画を最後まで見て、学びを深めていただければと思う。

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【講師】対馬 武志/
大学時代に、東京都保谷市(現西東京市)の碧山サッカークラブにて指導者としてのキャリアを開始。筑波大学大学院に在籍していた2004年、なでしこジャパンのアメリカ遠征に「テクニカルスタッフ(分析担当)」として帯同する。その時の縁がきっかけで、2005年に湘南ベルマーレにアシスタントコーチ(分析担当)として入団。その後、サガン鳥栖のテクニカルコーチ(分析担当)を経て、2008年よりサガン鳥栖のアカデミー(U-15)にて指導。その後も福岡J・アンクラス(当時、なでしこチャレンジリーグ所属)、アルビレックス新潟(U-12監督)、松本山雅FC(U-12監督)、星槎国際湘南女子サッカー部(コーチ)と、様々な年代や男子・女子での指導を経験したのち、2023年より愛知県額田郡幸田町にて活動しているGO FORWARD愛知にて小中学生の指導にあたる。
また現在は、これまでの経験を生かし、2023年10月より『サッカー指導者向けのコンサルタント事業』も行っている。

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