蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2017年9月21日
小4からでは遅い? 息子のスポ少入団を反対する妻をどうしたらいいの問題
子どもがサッカーを始めたいと言い出した時、夫婦で意見が違ったらあなたはどうしますか? 今回は、子どもの挑戦を応援したいサッカーパパからのご相談です。「ついていけなくて辛い思いをする」と反対するママに、息子のサッカーを認めてもらうにはどうすればいいでしょうか。
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回はママの不安を取り除き、子育て方針を築く秘密の3ステップをアドバイスします。(文:島沢優子)
※写真はジュニアサッカーのイメージです。 質問者及び質問内容とは関係ありません
<サッカーパパからの相談>
小学4年生の息子がサッカー少年団に入りたいと言うようになりました。
2年生の妹がその少年団に入っているのと、クラスメートに誘われているのがきっかけです。本人はスポーツはそれほど出来る方でもないですが、とてもやりたがっています。
自分はやらせてあげたいのですが、家内は反対しています。
「今から始めても下手で他のお母さん達から悪口言われる」
「本人もついていけなくて辛い思いをする」
これらが理由です。
どうやって息子を支援すべきでしょうか。
<島沢さんのアドバイス>
ご相談いただき、ありがとうございます。
なるほど。それは困りましたね。お父さんは「子どもがやりたいことをやらせてあげたい」と思っているのですね。
でも、子育てはどんなことも往々にして「ピンチはチャンス」。このように夫婦の意見が分かれたときこそ「わが家の子育て方針」を構築するチャンスです。
子どもが小さいときは毎日あわただしく、忙しく過ぎていく。互いに「あれ、それってちょっと違う気が……」と違和感を抱いても「ま、ママがそういうならいいか」とそのままにする。例えば、塾や習い事なども「今からそんなにやらなくても」と思ったけど面倒で言わなかったら、子どもがパンクしてしまった、というパパは少なくありません。
そうならないよう、早い時期にきちんと夫婦がすり合わせをした家庭のほうが、子育てはうまくいっているようです。
■母親の「心配予測」は子どものためでなく、自身の不安
相談者様のご家庭のように、お父さんはサッカーをやらせたいけれど、お母さんが反対するパターンは、わりとよく見られます。お父さんはサッカー経験者で観るのも好き。でも、お母さんはスポーツ自体に興味がなく、それよりも将来のためにも勉強をちゃんとしてほしいと思っていたりします。
しかしながら、ご相談に書かれているお母さんは「勉強してほしい」タイプというより、転ばぬ先の杖を用意したい「カーリングママ」タイプのようです。つまり、子どもが何かする場合に、その都度先を見据えて障壁になりそうなものを排除していく。欧州では、そのような過干渉(もしくは過保護)な親のことを「カーリング・ペアレンツ」と呼ぶそうです。
「今から始めても下手で他のお母さん達から悪口言われる(かもしれない)」
「本人もついていけなくて辛い思いをする(かもしれない)」
お母さんの言葉は、どちらも最後に「かもしれない」という“心配予測”が込められています。心配予測が起きるのを、子どもを思う愛情からだと本人は思い込んでいますが、実は親自身の「不安」でしかありません。
ただし、このお母さんも、もしかしたらご自分の母親から「こうなるかもしれないよ」「絶対うまくいかないからやめたほうがいいかもしれないよ」と「かもしれない」を言われ、行動を制限されてきたのかもしれません。が、本人が「言われたようにやってよかった」と感じているので、行動を制限されたというよりも「お母さんの言うことをきいて良かった」という感謝の気持ちに昇華しているとも考えられます。
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