蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2017年9月27日
子どもより自分がモヤモヤ...。 勝ち負けの楽しみがない少人数クラブに残るべきか迷う問題
少人数で年齢もバラバラ、毎回負けるチーム。わが子は楽しそうにやっているけれど、勝負で得る嬉しさや悔しさを知ってほしくて「このままチームに居続けていいのか」と親の方がモヤモヤしている状態……。こんな時、あなたなら他のチームに移籍しますか?
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回は、悩みを抱えるママが心を整理するための3つの手順をアドバイスします。(文:島沢優子)
※写真はジュニアサッカーのイメージです。 質問者及び質問内容とは関係ありません
<サッカーママからの相談>
2年の息子がサッカーチームに入っていますが、全学年合わせて10人と少人数のチームです。
監督は、暴言もありの昭和な監督ですが、週6日、長期休暇も午前中みっちりと練習を見てくれますので感謝しています。恐い監督ですが、息子はそれなりに楽しくしています。保護者は4人しかいませんので、配車、当番は必ずです。
試合は全学年バラバラで力もバラバラ、もちろん毎回負け。最近は、6年以下などの試合になると他の人数の少ないチームと合同です。
即席チームで声を掛け合うこともなくもちろん勝つこともありません。合宿も、合同です。私としては、一緒に切磋琢磨しながら練習をして出る試合だからこそ意味があるんじゃないかと思っているのですが。
高学年は、「勝って嬉しい」「負けたら悔しい」そういう感情もなくただ毎回負け試合にとりあえず行く、という感じです。
息子はほとんど試合にも出ないのでそのへんはわかっていないようですが、やはりたまに同年代の子と練習や試合をすると楽しそうです。
ここでの練習がすべての息子は「サッカーは辞めたくない。試合でも勝ってみたい」と言うだけで、どうしてもこのチームが嫌というわけではないです。
でも、仲間とプレーする楽しさや悔しさを知ってほしくて、他のチームがどんな感じなのか、体験に行きたいなと私が思い始めました。
所属チームの規定として、体験に行くにはチームを辞めてからというのが条件です。
子どもの意見が一番大切なのはわかりますが、こういうチームもあるというのを教えてあげたいなと思うので、監督にまず相談してみますが、体験に行くか、生徒の卒業で今後人数が少なくなっていく今のチームに残るか迷っています。
よいアドバイスがあれば教えていただけないでしょうか。
<島沢さんのアドバイス>
お子さんが取り組むサッカーに対し、お母さんが真剣に向き合っている様子がうかがわれます。
お子さんはそれなりに楽しくやっていることもきちんと見ているうえで、(ここで息子は成長できるのかな?)と不安に思われている。息子さんを一生懸命育てられているようですね。
それにしても、1年生から6年生まで合わせて10人というのは小所帯ですね。恐らく民間クラブではなく、昔ながらの少年団なのでしょう。
地方はわかりませんが、都市部をみるとどの地域も民間クラブやサッカースクールがとても増えています。それを後押ししたのは、親からのニーズはもちろんですが、Jリーグ発足から来年で25年経つなか指導者になった人たちが少年サッカーの現場に参入してきたことも大きいでしょう。
市場の競争力が高まれば、淘汰されるものも生まれます。地域によっては、最新のメソッドや人工芝のコートを完備した民間クラブに押され、昔ながらの少年団が子どもを確保できず廃部になるケースも見聞きします。
それについて意見はさまざまありますが、いずれにしてもお子さんたちがサッカーに取り組む環境は整ってきたと言えます。
それゆえ、お母さんが「子どもの意見が一番大切なのはわかりますが、こういうチームもあるよというのを教えてあげたい」という気持ちもよくわかります。
では、どう考えるか。結論を出す過程において、まずはお母さんのなかで以下の三つのことを考えてみましょう。
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