蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2017年10月19日

試合に出られないのに自主練提案しても手応えなし...。競争心の無い息子にイラつく自己嫌悪ママの問題

試合に出られないのに悔しいそぶりも見せずマイペースな息子。上達に役立ちそうな提案をしても手応えがなく、競争心の薄いわが子を見てイライラする自分に自己嫌悪。試合会場にいるのが苦痛、自分はダメな親だ...と思い悩むサッカーママからのご相談です。
自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回は、同じ体験をした母親として、ストレスを手放して心を軽くするアドバイスをお送りします。(文:島沢優子)
※写真はジュニアサッカーのイメージです。 質問者及び質問内容とは関係ありません
<<子どもより自分がモヤモヤ...。 勝ち負けの楽しみがない少人数クラブに残るべきか迷う問題
<サッカーママからの相談>
今、サッカーが楽しくないです。
息子は現在5年生、2年の秋からサッカーを始めたのですが、試合に出られなくても悔しさを見せる訳でもないのです。
技術面でもメンバーと今の自分を比べても何も感じてないのか息子はマイペースで卑屈にもならず...。
マイペースなのは良い性格だと思うのですが、競争心が薄く、どうしたら上手くなるのかを考えて自分の思いで行動に移すこともありません。
そんな中、試合に出られない息子をみてイライラ感情をぶつけてしまって、自己嫌悪です。
私が柔軟や体幹トレーニング、こういう練習すると、試合の時に役立つよと提案しても、手応えなし......。でも、やる気がない訳ではなく、普段の練習は結構ハードだと思うのですが、毎回楽しそうに参加していますし、頑張っているなとも思います。
「サッカー楽しい?」と聞くと「楽しい」と答える息子。
親としては上手くなればもっとサッカーが楽しくなると思うのに......。
所属チームの規定として、体験に行くにはチームを辞めてからというのが条件です。
主人は仕事の都合があり休日も見に来られません。
日々の忙しい生活のなかで、休日も殆ど試合に同行して終日終わってしまう私の疲労もピークで、試合で子どもの活躍もみられない時、親のモチベーションってどう保てばいいのでしょうか?
たかがサッカー。サッカー楽しんでおいでと送り出したいのですが、サッカーが楽しいってどういう事なんでしょうか......。
試合に出られないんじゃ、楽しくないじゃんって思うのは私だけですか? 私は親の為にサッカーやらせているのでしょうか。
親の私が精神的に弱くて、どんな状況下の子どもでも親の私が1番に応援しなければならないのに、私がサッカーを楽しめなくて、その場にいるのが苦痛なのです。
きっと、立派な大人の親ならばどっしりと構えて子どもの成長を信じられるのでしょうが、私はダメな親だと感じてしまいます。
このままだと子どもを追い込んでしまい、何か大切な芽を摘んでしまいそうで自分が恐いです。
どうか、子どもと私が幸せなサッカー生活を送れるようにアドバイスをお願いします。

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。
うんうん。辛いよね。子どもが試合に出られないのは辛いですよね。
私も長男がジュニアユースで1、2年生とずっと試合に出られませんでした。
毎週末交通費往復3千円くらい使って練習試合に行くのに、B戦(試合に出られなかった補欠同士での試合)自体やってもらえない状況が続いたときは「監督の首、絞めてやりて~」(下品!)くらいの気持ちになりました(笑)。
正直にお気持ちを表現されているところは大変共感できますが、そんなに自分を責めることはありませんよ。
「親の私が精神的に弱い」なんて思う必要はないし、「どんな状況下の子どもでも親の私が一番に応援しなければならない」のは正論ですが、血がつながっている親だからこそ心が揺れますよね。

■あえて試合を観に行かない

では、どうするか。
この「少年サッカーストレス」から抜け出すために、二つの方法を試してください。
ひとつは、息子さんの試合を観に行かないこと。
「休日も殆ど試合に同行して終日終わってしまう私の疲労もピーク」とあるように、身体的な疲労が濃ければ精神的にも困憊するのは当然です。心身ともに健康な状態でないままでは、冷静にお子さんとサッカーのこと、自身の子育てについて振り返る余裕は生まれません。
冒頭に書いてあるように、お母さんは今、息子さんのサッカーが楽しくありません。ならば、そこから離れればいいことです。例えば、現地集合で送迎しなくてはいけないのなら、連れて行ったら一度帰宅するとか、近くのファミレスでお茶や読書をして待つ。
保護者の付き添い当番があるなら、用事をつくって交替してもらってください。もしくは、クラブ内に理解のあるママ友がいるのなら「ちょっと精神的に今つらいので、状態が良くなったらまた協力しますから」と話してもいいでしょう。
「子どもが出られないからだよ」なんて陰口をたたかれても気にしない。そんな人はママ友ではありません。
とにかく、少年サッカーをご自分から遠ざけること。そのほうが、子どもも親の目を気にせず伸び伸び楽しむことができるかもしれません。

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