蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2017年10月25日

パパに放っておけと言われたが......。ダメな息子をどう受け止めればいいの問題

■子どもを「客観的に見る」とは

※写真はサカイクキャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません
答えをひとつ挙げるとすれば、「ママはあなたじゃないからわからない」だと思います。「わからないけどサッカーが好きなら、応援するよ」で終わります。
ただし、もし彼が例えばゲームを終わらせられず度々練習を遅刻したり、寝坊したりする"事実"が起きれば「そんな姿勢の選手を応援できません」と叱れます。
ところが、息子さんは、そんな子ではありません。
課題練習を始めてみんなより1年も遅くなったのに途中で「サッカーなんかやめる!」と嫌にならずにクリアしています。嫌味を言われてもめげず、追いつけるようにと別のスクールにも通う頑張り屋さん。しかも「サッカーが楽しい」と言う。
良い子、良い夫に恵まれ、あなたはラッキーではありませんか。
少年サッカーにのめり込み過ぎるパパが子どもに辛く当たる。このコーナーでは、そんなママからの相談をよくいただきます。夫婦というのは破れ鍋に綴じ蓋といいますが、よくできているとつくづく思います。育ちも経験してきたこと、価値観も少し違うからこそ、お互い支え合える。そんな「家庭内与野党」のバランスが子育ては大事です。
ママのほうが正しいときもきっとあるでしょう。でも、今回はパパのやり方を参考にしましょう。
最後に。
ママたちに「子育ての終わりっていつ?」とか、「成果って何ですか?」と聞かれることがあります。
私はどちらも「子どもの手を離す瞬間」と答えます。
何かについて「ママは、どう思う?」と相談されたとき、「君に任せるよ」と言える。ちょっぴり心配でも、「好きなようにしなさい」ときっぱり言える。
その日まで、揺れる・戻るの繰り返しかもしれません。でも、パパとたくさん話しともに歩めば、きっと親子とも豊かな人生が待ち受けていますよ。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。

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