蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2018年4月25日

運動神経よくない息子。親の期待だけで続けさせちゃダメかな問題

■親の期待だけで続けさせていいのか......。 オシムさんの言葉の意味とは

※写真はサカイクキャンプのものです。 質問者及び質問内容とは関係ありません

子どもが楽しくないのに続けさせてもよいか。
親の期待だけで続けさせてもよいか。

これらの判断に迷うということは、もしかしたらご自身が「楽しいことだけやってもダメ」と自分の親やほかの大人に言われたり、親の期待に添おうと頑張る子どもだったのではありませんか?

思えば昭和の時代。

1.嫌なことや苦しいことに耐えさせること
2.親の命令を素直に聞かせること

この二つは美徳と思われていました。

ところが、平成の今。上記は、程度によりけりとはいえ児童虐待(教育虐待)にあたります。大げさかもしれませんが、そのくらい子どもにとってダメージが深いと理解してください。

これが四つめの理解です。

期待してもいい。期待したくなります。だって、わが子ですから。ただ、期待する部分を、結果ではなく、プロセスに置きませんか?

「全力で頑張った」「一生懸命やった」「こんなにサッカーを好きになれた」これらのプロセスが、必ずお子さんの未来につながります。

「サッカーは人生そのもの」というオシムさんの言葉の意味はそこだと思います。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。

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