蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2019年2月20日
親が期待しすぎ? 息子のサッカーやめたいよ問題
■気にかけるのは「楽しんでいるか」だけでいい
最初のお話しに戻りましょう。
お母さん、息子さんはまだ7歳です。小学生の間は、子どもの自主性に任せて、楽しくサッカーができているかどうかだけをみてあげてください。
もし、そうするのが難しい、苦しくて、なかなかできないのであれば、「ひとつめ」で申し上げたように息子さんのサッカーと距離をおいてください。
見に行かない。自分からスクールの話を持ち出さない。結果を尋ねない。つまり、息子さんの進捗は一度忘れて「楽しくやっているかどうか?」のチェックだけに軸足を置きましょう。
「今日、楽しかった?」
「お母さんは、あなたが楽しかったらいいよ」
そんなふうに接してあげると、息子さんは変わるかもしれません。
楽しかった? と聞いてあげて、彼が「楽しかったよ」と言えば、良かったねえと喜んであげる。その積み重ねだけでいいのです。
もし、どうしてもやめたいと本人が言ってきたら、「じゃあ、代わりに何をする?」と尋ねてあげてください。熱中できるもの、心から楽しめるほかのことに出会うお手伝いをしてあげましょう。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。