蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2020年12月 9日
他の子が成長しないため上の学年でプレーできない。息子を伸ばしてくれないチームをやめたい問題
■移籍を繰り返す子の親は、わが子を過大評価している場合も
そもそも移籍を繰り返す子どもの親御さんは多くの場合、自分の子どもを過大評価しています。私も親なので、気持ちは十分わかります。「親の欲目」はどんなに冷静に見ようとしても、出てくるものです。
それは自然なことですが、そのことを安易に伝えないほうがいいでしょう。脳科学的にも、素質や結果を褒めるよりも、プロセスを称えるほうが子どもの力になることが証明されています。したがって「一生懸命頑張ってるね」「良く努力してるね」と、お母さんは見ているよ、見守っているよ、ということを伝えるだけでいいのです。
子どものレベルあった育成指導を受けられる環境を探すのは、悪いことではありません。ただ、そこを見極めるのはお子さん本人に任せたほうがいい。自分がついていける、あるいは活躍できるチームかどうかはお子さんがわかるはずです。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。