蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2021年8月 4日

仲間に心無い言葉を投げられる息子。親はどう介入すべきか問題

■コーチたちに問題に向き合ってもらえる話し方


(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

ほかの保護者が何も言わないのは歯がゆいことではありますが、指導現場において保護者には責任はありません。なので「なんで自分の子どもが暴言を吐いているのに注意しないのか?」といちいち怒るよりは、子どもたちをより良い環境でサッカーをさせる責任と義務があるコーチの方々に「良いことではないのでは?」と話すほうがいいと思います。

ただし、その際に「うちの子が傷ついてる。どう責任をとってくれるのだ?」という被害者的な思考からくる抗議では、真摯に向き合ってもらえないかもしれません。

例えば、子どもはいじめる子どもと、いじめられる子が頻繁に入れ替わります。したがって、今は息子さんが傷つけられているけれど、そのうち違う状況になるかもしれません。スポーツをしていくうえで、そのような上下関係をつくらず、みんなでサッカーを通して成長できたらいいですよね。そのような主旨のことを、チーム全体を考えたうえでの意見として話すといいでしょう。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
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