蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2022年3月10日
「厳しいけど、情熱があっていいコーチだ」は本当? 熱血コーチの情熱は子どもを伸ばすか否か問題
■怖いコーチが見せる「瞬間的な優しさ」に惑わされず本質を見て
(写真はフリー素材)
心理学の専門家によると、暴言の多い怖いコーチが少しでもやさしいふるまい、言葉がけ、行動をすると「被害者である子どもはそこを掬い取ってしまいやすい」と言います。
つまり、他者からみたら良くない指導者なのに、被害者にとってはそれだけではないからです。やさしくされたこともある、大事にされた瞬間もある。その瞬間のイメージが大きく残り、揺れ動いてしまうわけです。
このような指導者に気をつけなくてはいけません。当事者である子どもは判断しづらいのですから、親がそのような眼で指導者を見る。そのためにはぜひ、さまざまな変化があることを学んでほしいと思います。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。