蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2022年5月18日
楽しいチームがいい? 厳しいチームがいい? 6歳児のチーム選び二択問題
■小学生年代のスポーツで最も大切なこと
(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
小学生のスポーツで、最も大切なのは、そのスポーツをいかに楽しく感じるかです。この連載でもずっと言い続けていますが、小学生でサッカーを大好きになれば、中学や高校年代になって、試合に出られないとか、思う通りにいかなくてもあきらめずにサッカーと向き合えます。その時間にこそ人としての成長があり、サッカーをすることで手にする大きな宝物です。
以上のことを参考に、チーム選びを考えてみてください。
最後にひとつだけ付け加えると、お母さんは少しばかり不安が強いようです。
「けれど、サッカーやるにつれ、プロになりたいと本人が思うようになったら? 逆に最初からガツガツさせて、サッカー自体嫌になったら? などと考えて、答えが出ずにいます」とあります。
私も子育てしてきたのでお気持ちは察します。が、子育ては「わが子への不安を、信頼に変える旅」です。
自分で立ち上がることもできない赤ちゃんだった子どもが、いろいろなことができるようになり、自分で考えられるようになる。その都度心配していた私たち親は、少しずつわが子から手を離し「信頼」できるようになければいけません。
そして、最も身近な親から信頼を勝ち得た子どもは、「僕は大丈夫」という自尊感情を持てるようになります。
お母さんの旅を応援しています。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。