蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2022年8月10日

指導者が息子を劣等生扱いするのがツラいのでチームを辞めさせたい問題

■過干渉が子どもに与えるリスクを軽く見ないで


(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

私はスポーツの育成に注目して取材活動をして20年ほどになります。並行して、脳科学や心理学、新しい教育学に基づいた専門家も取材してきました。出会った親子は2000人以上になります。そのなかで、親御さんがご自分のつらさや喜びを優先した子育てで上手くいった例を、私は知りません。

なかには過度に世話を焼いても順調にいく例もあるでしょう。しかし、親が道を作って歩ませて、上手くいかなかったときに子どもは「お母さんの言うとおりにクラブを変えたのに、今度はいじめに遭った。お母さんのせいだ」となりかねません。

過干渉リスクを軽くみて痛い思いをした例は枚挙に暇はありません。

逆に、自分で考えて決めた場所であれば、上手くいかないことがあってもそこで戦えます。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
前へ 1  2

関連記事

関連記事一覧へ