蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2023年4月12日

「センスがないからサッカーやめろ!」暴言を吐く幼稚な夫を変えたい問題

■子どもの自己肯定感を育てるために、幼稚なパートナーへの対応を変える


(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

そして大事なのは、幼稚なパートナーに対しても「こう言わないで」「こんな態度をとらないで」といった否定をしないこと。他者を否定する人ほど、自分を否定されることに弱いものです。私はこういう言葉は嫌い。好きではない。良いとは思わない――そんな「私はこう考える(思う)」というアイ(I)メッセージで伝えましょう。

私たちの親世代は、子どもに対し暴言を吐き放題の家庭が多かったでしょう。センスがないからやめろと言われれば「センスがないのは本当のことだから、お父さんが言うようにやめたほうがいいかもしれない」と考える。それが普通なこととして育ってきました。

すべての家庭がそうではありませんが、高い確率でそのような子育てが行われ、その影響もあって日本の若者はすでに20年近く先進国で著しく自己肯定感が低い国になってしまいました。

お母さん自身が変われば、お父さんもそれに気づくはずです。そして何よりも息子さんにも変化が訪れます。母子が変わったうえで、ついでにパパが変わればいいね、くらいな心構えでいましょう。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は『高学歴親という病』(講談社α新書)。

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