蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2024年2月 7日

万年補欠の息子。わが子が出ない試合でも応援に行かなきゃダメなのか問題

■アドバイス③チーム移籍をする際は子どもの気持ちを優先に


(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

三つめは移籍の話です。

この時期9歳ならば小学3年でしょうか。ご近所にもう少しレベルが緩やかなクラブがあって可能性があるなら移籍を考えてもいいでしょう。そこはお母さんの気持ちよりも、子どもを優先にしてください。

「出られないから移籍するのか」と言われるかもしれません。が、そんなことは当然です。大人だってより良い職場、自分の力を発揮できる場所を探して転職します。ごく普通のことです。

「試合に出られないとスポーツは面白くないかなと思ったので、移籍を勧めてみました」これで十分です。

何のためにわが子にサッカーをさせているのか。
息子は何のために補欠を我慢しているのか。
子育てで大事なことは何なのか。

そういったことをあらためて考えてみましょう。必ず発見があるはずです。わが子がずっとレギュラーだったら気づかなかったかもしれない気づきや学びがあるはずです。物事は、マイナスから新たなプラスが生まれることが往々にしてあるのです。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。

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