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2022年10月28日
【動画まとめ】スポーツセラピストが実演するケガ予防ストレッチ5選
イングランド・プレミアリーグのアーセナルで、2015年よりスポーツセラピストとして活動する山本孝浩さん。前回の記事では、ケガ予防のためのストレッチやジュニア年代から自分の体を知っておく「セルフチェック」の重要性教えていただきました。
今回は、取材時に山本さんに実演していただいたストレッチ専用「フレックスクッション」を使ったストレッチの映像を解説。ぜひご自宅やチームで、動画をみながらやってみてください。
■まずは基本!股関節と太ももを伸ばすストレッチ
フレックスクッションを使ってベーシックなランジの姿勢を取り、手を頭の後ろに組んだ状態で行います。ランジの姿勢をとるときは、上体を立てることが大切であるため、手を組む代わりに頭の後ろにスティックを持って行っても構いません。また、ランジの姿勢をとったときに腰が反りすぎないように注意してください。
この姿勢が取れたら股関節全体を全面へとスライドさせ、腸腰筋(ちょうようきん)を伸ばしてください。ここからさらに上半身のひねり(回旋)を加えます。ひねりを加えることで、太ももの前面や股関節、腹筋が伸びていることがわかるはずです。
ランジの姿勢から脇腹を左右に伸ばす(側屈する)ストレッチもできます。上半身の捻りとわき腹の側屈を組み合わせてもOKです。
側屈、回旋がうまくできないとボールを蹴る時にも股関節が疲れやすくなり、怪我の原因になるため、ストレッチでしっかりとほぐしておきましょう。
■ねんざ予防に効果的な足首ストレッチ
フレックスクッションは足首のストレッチにも活用可能です。小・中学生では足首の捻挫が多いため、ストレッチを通して予防する必要があります。また、捻挫から復帰するときにも再発しないようにしっかりとトレーニングをすることが大切です。
フレックスクッションを使った足首のストレッチは、クッションの上に片足で立つだけでOKです。フレックスクッションは柔らかすぎず、硬すぎないため、片足で立った状態で30秒~1分程度キープするだけでも足首周りの筋肉のトレーニングになります。ポイントは足首を意識するだけでなく、体を支えるお尻にも意識を集中させ、バランスをとることです。
また、フレックスクッションの向きを変えることで、さまざまな角度から足首のストレッチを行えます。片足で立つだけでなく、ボールをキャッチするなどのバリエーションも可能です。練習前の捻挫予防のトレーニングとして行ってもいいでしょう。
■急な転換もスムーズに!股関節の柔軟性
股関節は、ボールを蹴る際などに頻繁に動かす部位です。また、サッカーは、自分が予想しない方向に急に動くことがあり、股関節が硬いとさまざまな怪我につながります。だからこそ股関節のストレッチをすることは、いいプレーをするためにも怪我を予防するためにも重要です。
ストレッチは、クッションに座って足を開き、足を内側に入れる形で行います。このとき、股関節の動きに上半身の動きを加えることで、身体の側面のストレッチにもなるため試してみてください。具体的には、右足を内側に入れた状態で右手を上に伸ばすイメージです。
また、別の形で股関節をほぐすこともできます。クッションに座った状態で膝を前後に開き、この状態をキープしながら、後ろの足を上げ下げすることで回旋筋と呼ばれる股関節を内旋外旋する筋肉のストレッチになります。ポイントはゆっくりと息を吐きながら行うことです。
■内転筋の左右差をチェックしてケガ予防
内転筋のストレッチにもフレックスクッションが役立ちます。片方の足の膝をクッションにつき、もう片方の足は横方向へしっかりと伸ばすことで、内転筋が伸びているのがわかるはずです。
この状態で手を頭の後ろに置き(スティックも可)回旋を行います。
ストレッチのポイントは、しっかりと胸を張ることです。胸を張りながら回線することで内転筋が伸びているのがわかります。
また、左右どちらのストレッチも行い、左右の柔軟性の違いを実感することも大切です。例えば、右の内転筋の方が硬いのであれば、右側を入念にストレッチしてください。
サッカーは、守備の場面で足を伸ばしてボールを奪うなど、内転筋を伸ばして体を捻るシーンが少なくありません。このとき内転筋が硬いと、回旋したときに内転筋を痛める可能性があります。また、地面が濡れてスリッピーな状態でプレーするときにも、滑って予想外の動きをすることで内転筋を痛めるケースが少なくありません。
■緊張をほぐす効果も!意外に重要な上半身ストレッチ
フレックスクッションは股関節だけでなく上半身のストレッチにも活用可能です。サッカー選手の場合、試合やトレーニングが続くと体の緊張状態が続き、胸椎が硬くなることがよくあります。この状態をほぐすためにフレックスクッションを活用します。
ストレッチは、両肘をクッションにつき、その状態で胸を床の方に近づけて戻す動きを繰り返すだけです。ストレッチのポイントは、胸を床に近づけるときに、お尻を後ろの方に引きながら脇の下を伸ばすイメージで行うことです。そうすることで、自然と胸を張る姿勢になります。
また、別のやり方で上半身をほぐすこともできます。クッションに仰向けに寝た状態で手を後ろに組んで胸椎をそらして戻す動きを5回程度繰り返してください。クッションに接地する部位をずらすことで上半身のさまざまな部位のストレッチができます。
山本孝浩さんインタビュー記事はこちらから