JFAグラスルーツ推進部部長が行く!あなたの街のサッカーチーム訪問
2016年9月29日
そこに行けばサッカーができる場所を用意したい!白岡市サッカー協会の挑戦
日本サッカー協会、グラスルーツ推進部松田薫二部長があなたの街のサッカーチームを訪問し、少年サッカーの課題解決に努めていく当連載。今回、松田部長が訪ねたのは埼玉県白岡市。きっかけは白岡市サッカー協会会長を務める秋月邦雄さんのこんなメッセージでした。
「わたしは今75歳。できるだけ速やかに、引退までに"みんなPlay(補欠ゼロ)"と"ずっとEnjoy(引退なし)"を、白岡市に定着させたいと希望しています」
グラスルーツ推進・賛同パートナーのなかでも並々ならぬ情熱で情報発信をしている白岡市サッカー協会の活動について、秋月さんにお話を伺いました。(取材・文 大塚一樹)
■市のサッカー協会が賛同パートナーに応募した理由
白岡市に秋月さんを訪ねた松田部長。まず気になったのは、クラブチームの申請が多い中、白岡市サッカー協会としてパートナーに応募した秋月さんの思いでした。
松田「今回はありがとうございます。私たち日本サッカー協会でも、グラスルーツ推進部を立ち上げ、みなさんの活動や取り組みに触れるにつれて、グラスルーツ活性化のためには、本当にいろいろな切り口があって、それぞれに大切なことがあるんだなあと感じています。なかでも、白岡市サッカー協会さんの取り組みには感銘を受けました」
秋月「ありがとうございます。でもそんなたいそうなことをやっているわけではなくて、まだまだということのほうが多いのですが……」
松田「市区町村のサッカー協会がこういうことを始めてくださったことに意味があると思うんです。グラスルーツ推進と言っても、すべてのことをJFAが直接できるわけではありません。だからこうして市区町村から発信していただくことはありがたいです。まずは、グラスルーツ推進・賛同パートナー制度に登録していただいた理由をお聞きしてもいいですか?」
秋月「話せば長くなるんですけど、きっかけはインターネットですね。それこそ、今回お話をいただいた『サカイク』を見てグラスルーツ推進・賛同パートナー制度のことを知って、賛同パートナーに応募することで、われわれの思いやこれからの活動のPRになると思ったんです」
■クラブと部活、サッカー部と野球部、垣根を越えた卒業記念大会
松田「市の協会からそうしたアピールをしてもらえるのはうれしいです。活動としては、どんな取り組みをされているんですか?」
秋月「以前から行っていることで言うと、3種になりますが、中学校の卒業記念大会を4年前から始めました。登録の関係で、クラブに所属している選手と部活動でプレーする子どもたちは一緒にサッカーの試合に出ることができません。中学校を卒業するときにみんな一緒に楽しくサッカーをやる機会があればと始めたことです」
松田「それは学校単位で?」
秋月「そうです。学校対抗なので、クラブと部活というだけじゃなく、サッカー部もいれば野球部もいる。卒業の記念に、みんなでサッカーをやろうというのを市のサッカー協会がやっているんです」
松田「いいですね」
秋月「中学から高校になるまでのブランクでサッカーの楽しさを忘れてしまう子どもって結構いるんですよ。それももったいないと思うんです。今後も続けて、白岡の名物になるといいと思っています。中学も中学で問題があります。部活が中2の夏で終わりになってしまうのはとても引っかかる。部活動だと顧問の先生の監督責任の問題もあるというのはわかるのですが、たとえば週1回くらいボールを蹴ることが、受験にどんな悪い影響があるのか? と思ってしまいます」
松田「私もまったく同じ意見です。むしろ受験勉強の合間のいいリフレッシュになると思います」
■一人ひとりが続けてきたサッカー活動こそグラスルーツの原点
秋月「ずっとEnjoyの観点で言えば、どうしても少年団、部活やクラブだとか学年、年齢、男女など枠にとらわれてしまうことも活動の範囲を狭めているような気がします。理想を言えば、そこにいけばサッカーができる場所を用意したい。属性はバラバラでも緩くサッカーを楽しめる場があるといいなと思っています。白岡市サッカー協会としては、お母さんたち向けに、女子サッカーの初心者講習会をやりました。一昨年、一回目をやったんですが、参加者が増えなくて、続けて開催とはいきませんでした。シニアへの取り組みでは、今年から正式にオーバー40のシニアリーグを立ち上げました。小学生チームのお父さんがチームを作って、市民リーグでやっていたんですけど、若いチームとの差が目立つようになったそうで。いまは40歳以上の6チームで前後期のリーグ戦をやっています。次はオーバー50もと言っています」
松田「世代がつながっていくのはいいですよね。私もいまはオーバー50のリーグでプレーをしています」
秋月「会長になってから地域のサッカー協会の役割を改めて考えてみましたが、私たちが一番やらなければいけないのは白岡市にサッカーが好きな人を増やすことなんです。そのために何をするのか? 途中で辞めちゃう人が減ればサッカーが好きな人は増える。辞めちゃう人を減らすにはどうしたらいいかというのを考えて、結果としていろいろなステージを作っていくことが大切だろうと思ったわけです。立場や年齢にかかわらず、その人がプレーできるステージを用意してあげればサッカーが好きな人が増えていくんじゃないかってことですよね」
松田「それこそまさにグラスルーツの本領ですよね」
秋月「協会としての取り組みを振り返ったときに、実績といえるものは何もありませんけど、考えてみればこれまで我々がやってきたこと、我々自身がグラスルーツそのものなんですよね」
松田「その通りですよね」
少しずつ取り組みを進めている秋月さんは、ずっとEnjoy、みんなPlayの理念に共感し、パートナーになることで、協会の考えを多くの人に知ってもらいたいと考えています。松田部長もこうした取り組みをはじめている協会があることを知ってもらうことが、パートナー制度の役割のひとつと、これに応じます。こうした取り組みが白岡市に、そして全国に広がっていけるように、サポートしていくのもグラスルーツ推進部の重要なミッションなのです。
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