楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
2018年6月13日
勝つためなら何をしてもいいの!? 少年サッカーに通底する日大アメフト問題
■子どもの「こころに響く言葉」とは?
まずは「ゲーム(試合)」の正しいとらえ方を伝えてください。反則をしてはいけない、汚いプレーをしてはいけないといった「ルール」がいかに重要かを理解してもらいます。
「君が手を広げてアピールしても、審判のジャッジは変わらないよ。アピールするほうが、審判の心証を悪くするよ。意味のあることかな?」
「審判の見えないところで相手のユニホームを引っ張ってボールを奪えたら、君はうれしい?楽しいかな?」
最初はただ苦笑いするだけ、あるいはふくれっ面で聞いていたとしても、そのことを根気よく繰り返し伝えてください。
「楽しいかどうか」の選択を、指導の中で大切にしてください。
なぜならば「楽しい?」という言葉は、子どものこころに響きます。フェアかどうか、同義的に正しいかどうか、といった表現よりも、楽しいかどうかのほうが、断然すっと腹落ちするようです。
そして、この「楽しいかどうか」をずっと聞き続けた子はどうなるか。その反対に「勝つためにはそれもアリ」ということを暗黙の了解で教えられた子は?
そうやって子どもたちがルールを守ることで、ゲームは「とことん真剣な競争をして、楽しさを求める場所」になるのです。
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。