楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
2019年7月24日
5歳児にも効くスポーツマンのこころ ―「ゼロか百」にならないためにー
■ちょっとした壁に当たってあきらめた子を「あの子、ダメだったねえ」で済ませない
例えば、才能があり、小中まで「天才」と言われた子どもたちがいつの間にか消えてしまう。どのスポーツでもよくある傾向です。スポーツを非日常ととらえていないが故に、ちょっとした壁に当たると、そのストレスに耐えられずに「もう、いいや」とあきらめてしまう。
前述した「ゼロか百かしかない」と大人が示してきた価値観も影響していると感じます。
その現象を大人も「あの子、ダメだったねえ」と悲哀を持って語りすぎていないでしょうか。
そうではなくて、「中学ではレギュラーになれなかったけれど、高校でもやってみよう。大学は推薦ではなく一般でも好きな学校にいけるよう勉強しよう」とか「バスケットじゃなくてハンドボールをやってみようかな」と前向きに考えてほしい。
そのために、自分の人生の「軸の確認」をする。日常と非日常のとらえ方を理解することが必要です。
そのことに、たった5歳で腹落ちした彼は、きっと充実した日々を送るでしょう。
いつの日か、別のことを選択する日が来るかもしれません。でも、それまでは、「サッカー選手と医者になる!」という本気の意欲が彼を成長させるのです。
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。