楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
2019年9月27日
勝って喜ぶ学生に言った言葉とは。スポーツが社会を変える力をつくる理由
■「理不尽を変える力」を育てるために指導者が学ぶべきもの
この「教育」がスポーツの現場に正しく継がれていったのが、ラグビーなのかもしれません。生身で体をぶつけ合うラグビーは「紳士がする野蛮人のスポーツ」などと揶揄されることもあります。
歴史をひもとくと、1823年、イングランドの有名なパブリックスクールであるラグビー校でのフットボールの試合中、ウィリアム・ウェッブ・エリスがボールを抱えたまま相手のゴール目指して走り出したことがラグビーの起源とされています(諸説あります)。
以来、「ドリブリングゲーム」がサッカーに、「ハンドリングゲーム」はラグビーへと枝分かれしました。
サッカーは、工場労働者が休暇などに試合をしているうちに、みんなが見に来るようになり、工場が「プレーする時間分の給料を出す」と言ってチームが増え、リーグが作られて世界に広まっていきました。
対するラグビーは、パブリックスクールごとにチームが作られたことから、教育的な意味を持って「ノーサイド」の精神が残ったと言われています。
その態度は正しいか否か。スポーツマンシップに反するか否か。
まずは、指導者のみなさんがスポーツマンシップを学びましょう。そのうえで、理不尽を変える力を育ててあげてください。
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。