楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

2019年10月17日

なくならないパワハラ指導。順番を間違えるとブラック指導になるスポーツ現場の「人間教育」

■方法論や順番を間違えると、ブラックな指導になる


(写真は少年サッカーのイメージです)

 

これを知る者はこれを好むに如(し)かず。
これを好むものはこれを楽しむものに如かず。

「論語」に出てくる有名な言葉です。

知ることよりも、好きなことが、好きなことよりも、楽しむことが上達につながるという意味です。育成期の子どもたちには、ここを懸命に伝えなくてはいけない。それなのに、目の前できれいに整列する「出来栄え」を追求してばかりいる。

それが今最も多い指導者の姿ではないでしょうか。

思えば、私がおよそ20年前にドイツから帰国し「スポーツマンシップ教育を取り入れましょう。このままでは日本のスポーツは廃れてしまいますよ」と訴えたとき、学校関係者の方々の多くから「人間教育なら、もうやっているよ」と言われました。

その当時はわかりませんでしたが、その方々が考えていた人間教育は、実は方法論や順番を間違えると、ブラックな指導になる危ういものだったのです。

私たちは、もうそろそろ過去の常識を疑わなくてはいけません。

 

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高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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