楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

2019年12月12日

「強いものには逆らえない」パワハラ指導を受けた子に権力主義を刷り込む「親の沈黙」

■「昔はすごかったんだぜ」過去自慢のイタい大人にしないために


(写真は少年サッカーのイメージです)

 

子どものときから権力に支配されて育つと、圧倒的に自分よりも立場が上の人だけをリスペクトします。そして、自分の競技でちょっと活躍すると、それだけで人生が完結してしまう。そのような人は、お酒を飲みに行くと中学や高校時代に活躍した過去の自慢話をしています。

過去の業績を部下に自慢する会社の上司みたいなものです。

そんな大人を、若者たちは「イタイ」と表現します。

どうか目の前の子どもを、イタイ大人にしないよう気をつけてください。

「みんな違って、みんないい」

これは、金子みすゞさんの言葉ですが、スポーツが本来持つ価値でもあります。これを伝えるためには子どもたち一人一人をよく観ることが不可欠になりますが、指導者や保護者のみなさんは、その努力を惜しまないでください。
子どもたちの未来はみなさん自身の未来と重なっているのですから。

 

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高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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