楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた
2020年1月22日
「Jリーガーになりたい人!」で手を挙げた子はゼロ ~世界を目指す子どもに伝えるべきこと。
■日本の指導者が世界基準から遅れている点
では、育成の現場で同じ変化がみられるかと言えば、決してそうではありません。
先日、私の住む岐阜で、池上正コーチや、ドイツ在住の指導者である中野吉之伴さんらを迎えてカンファレンスが開催されました。夜の親睦会に参加すると、誰もが口をそろえて「勝利至上主義の指導者は多い」と言います。怒鳴ったり、強く否定するといった圧迫する指導は相変わらず散見されるというのです。
指導者のスタイルやマインドを一日も早く世界基準にしなくてはいけません。グッドウイナーとグッドルーザーの見本を、まずは大人が示してあげてください。
高橋正紀(たかはし・まさのり)
1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。