本番に強い子を育てるために大切なこと
2017年1月19日
目標を達成するために重要な「自信」の育て方
■自信がない子ほど高い目標を掲げている
目標を達成するために大事なこと。それは、現実の自分の姿をきちんと受け入れることです。
私のトレーナーとしての経験をふり返っても、「自信がない人ほど、目の前の現実を受け止めようとしない」ことが多いように感じます。そしてそういう人ほど、できない自分と向き合わなくて済むように、あえて高い目標を掲げる傾向があります。
それは子どもも同じ。自信がない子ほど、高い目標を掲げてしまうのです。
例えば、今のチームでは試合出してもらうことさえできていないにもかかわらず、「絶対にプロサッカー選手になる」と言い続ける子。もちろん、それが本当の目標なら、それを達成するために、その意志の強さは絶対に必要な要素の1つです。
ただ、なかには「試合に出られない(実力が足りない)」という現実を認めたくないがために、「一生懸命がんばってるからOK」と、自分が傷つかないように、高すぎる「目標」を掲げてしまっている場合があります。
そういう思考の子が、本当にプロのサッカー選手になれる可能性は高くはないと感じます。その理由は、現時点で試合に出られていない状況だからとか、その程度の才能しかないから、ではありません。現実と向き合う力が欠けているからです。
つまり、「試合にも出られない自分」という現実に向き合うことをせずに、「プロを目指してがんばっている自分」にOKを与えているのです。
でも、これでは、本当の自信は生まれません。
■本当の自信は、「できた!」という結果でついてくる
もちろん、まだリアリティはなくても、「プロになりたい」という大きな「夢」や「目標」を持つことは素晴らしいことです。
でも、だからこそ大事なのは、「試合に出られない」という現実の自分の姿を受け入れ、自分のレベルに応じたOKラインを一つ一つクリアして、本当の自信を育てていくこと。本当の自信というのは、あくまでも「できた!」という結果でついてくるものなのです。
そうして自信が生まれてくれば、現実の自分によりしっかりと向き合えるようになります。すると、自分に何が欠けているのか、次は何をすればいいのか、を常に考えるくせがついてきます。
そうしているうちに、「できないこと」は少しずつ「できること」に変わっていき、確実にレベルアップできます。そうして、「試合にも出られない」という現実を変えることだってできるでしょう。
このようにして本当の自信を積み上げていけば、「プロになる」という夢もやがて、リアリティのある「目標」になるはずです。
目標とは、向上心をもつことで、自分を向上させ人生を変えていくために掲げるものです。そして、現実を受け入れ、現実を変えていくもの、それが「OKライン」なのです。
OKラインを実践して得た自信をもとに、目標を達成し人生を変える力を身につけていきましょう。
森川陽太郎/
サッカー選手としてスペインやイタリアでプレーし、その後、心理学やメンタルトレーニングを学び、株式会社リコレクト設立。「OKラインメンタルトレーニング」という独自のトレーニング方法で、横峯さくら(プロゴルファー)などのトップアスリートや子ども、企業向けに「結果を出す」ためのメンタルサポートサービスを展開。
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