サッカーを心から楽しむための思いがけない方法!「無愛想」のススメ

2017年3月21日

子どもが壁を乗り越える力を発揮するために親はどうあればいいのか

■言葉は何でもいい、「分かろうとする姿勢」は子どもに伝わる

その時の母の対応は、表面上の言葉がどうだとかそういうこと以前に、心の在り方として「分かろうとしてくれていること」が伝わってきて、叱られたことに対する反発が生まれることもなく、素直に受け入れることができました。
 
子どもには子どもの世界があり、特有の友達関係、特有の悩みがあります。それを親が100%理解できないことも、子どもは何となく分かっているのです。だから、実際に分かってもらえたのかどうかが重要なのではなく、分かろうとする意思や姿勢があるかどうかが大事で、その姿勢は必ず子どもには伝わります。
 
その「分かろうとする姿勢」の中に愛を感じ、「この人は何があっても自分の味方なんだ」と腹から理解するのです。
 
校長室に呼び出されるという状況の中でも自分を理解しようとしてくれたこと。自分の味方でいてくれたこと。それがきっかけで、私の問題行動は減っていき、それ以降親が学校に呼び出されることはなくなりました。
 
もっと言えば、余談にはなりますが、家にお金があまりなくて仕事をし続ける母親を見て、将来自分は自分の奥さんには楽をさせてあげたい、だから勉強も頑張ろうとその頃から思うようになりました。
 
その後、中学高校と進学して京都大学を目指すようになったわけですが、そのときの大きな動機の一つが「将来の奥さんに楽をさせてあげたい」という気持ちでした。親に対するポジティブな思いがどんどん拡大していったわけで、そういう意味で親との関係というのは本当にその後の人生においても大切なことなのです。
 

■サッカーの世界でも、子どもは子どもの世界で戦っている!そのとき親として大事な「在り方」とは

人間の行動には理由があり、一見「何で?」と思うような行動の中にも、そうする理由があるものです。
 
その理由を想像することもしないで頭ごなしに否定したり叱りつけたりすれば、「分かってもらえていない」「分かろうとしてもらえていない」と感じてしまい、その思いは「反発」につながることがあります。
 
例えば、サッカーの練習に対する意欲が落ちているとして、その理由を理解しようともせずに「何で練習しないんだ!」と頭ごなしに言われたのでは、練習する気はさらに薄れていきます。
 
サッカーをしているときも、「子ども特有の悩み」が必ず出てくるものです。
 
それはプレーの面でもそうかもしれないし、人間関係上の問題もあるかもしれない。子どもは子どもの世界で戦っていて、その戦いの中で様々な「壁」に直面することになります。そして、その壁と向き合わなければならないのは、親ではなく子ども自身です。
 
そのとき、親がしてあげられることは何なのか。
 
それは親が子どもを分かろうとする姿勢を持っていること、どんなことがあっても子どもの味方なのだというメッセージを発信することです。親が自分を理解してようとしたことや味方でいてくれるということは、心の中の絶対的な安心感につながり、余計な恐怖に振り回されなくなります。
 
自分は大丈夫なんだという感覚が生まれるようになり、その感覚が壁を乗り越える力につながっていくのです。
 
子どもは自分自身で壁を乗り越える力を持っています。大事なのは、その壁を乗り越える力を思う存分発揮させてあげることです。そうすると、自分には壁を乗り越える力があるのだと子ども自身が知り、実際に壁を乗り越えていきます。
 
そのために、ぜひ子どもの気持ちを理解しようと努め、何があっても子どもの味方なのだという愛のメッセージを伝えてあげて欲しいと思います。
 
 
 
池田潤/作家・メンタルトレーナー
京都大学法学部在学中に立ち上げた勉強法ブログが人気となり、学生ながらカリスマブロガーとして活躍。現在はメンタルトレーニング、コーチング、執筆活動、ブログなどの情報発信を中心に活動している。メンタルジム「イケジム」主催。著書に、『勉強の結果は「机に向かう」前に決まる』『未来の自分をつくる勉強法』、『毎日15分自分と向き合えば、「欲しい結果」がついてくる』、『自分の「武器」を見つける技術』がある。

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