あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2017年6月 2日

人数が少ないうえに練習時間が合わず...... 全員揃って練習できないチームをどう指導すればいいか

池上正さんが、ジュニア年代を指導するお父さんコーチの質問に答える「池上正コーチングゼミ」。今回は、連取時間がバラバラな上に人数が少なく対戦練習ができないことに悩むお父さんコーチからの質問です。
 
これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんはどのようなアドバイスを授けたのでしょうか。(取材・文:島沢優子)
 
<<熱心なあまり子どもたちにダメ出し、試合で指示する保護者をどうしたらいいか?
 
<お父さんコーチからの質問>
U-13以上のコーチを担当しております。
 
練習時間がバラバラなチーム、更に人数がギリギリのチームをどう指導していくか悩んでいます。
 
週に3日練習時間があります。土日は試合です。しかし、週に3日練習する子もいれば2日の子もいます。人数が全員で12人なので、全員揃っても対戦練習はできません。
 
どうしていくと団結したり、上手くなったりできますか?
 
 
<池上さんのアドバイス>
お便りだけでは詳しい状況はわかりませんが、13歳より上ということは中学1年生が中心のようです。練習時間がバラバラなことはそんなに気にする必要はないように思えます。
 
この年代であれば、優先すべきは個をどう伸ばすかという部分に尽きます。土日の試合はみんな一緒のようですので、まずは試合の中で出てきたそれぞれの選手の個人の課題を解決することに注力してはいかがでしょうか。
 

■人数が揃っていなくてもグループ戦術を磨くことはできる

ここがこうだったよね。こんなことができるようになればいいよね。そんなアドバイスを全員にして、その課題を念頭に置いて練習に取り組む。コーチも、個々の選手が課題解決に対してどう向き合ったかをみていくわけです。
 
次に、チームとしてどうするかという部分を考えましょう。
 
「全員揃っても対戦練習はできません」とありますが、その代わりに「グループ戦術」を磨いていきませんか。2対1から始まって、2対2、3対2、3対3、4対3、4対4などです。2人や3人、4人の関係をどう理解するか、どう攻めて守るか。そこに着目するとよいでしょう。
 
また、「週に3日練習する子もいれば2日の子もいます」とありますが、一日多く練習したから一日早く上手くなるわけではありません。日本ではどんなスポーツも、たくさん練習や試合をすればそれだけ上手くなると考えられてきましたが、実際にはそうではありません。
 
そのことと、選手には選手自身の生活があるのだということを、指導者自身が理解しなくてはいけません。2日しか来ない選手より3日来ている子を優遇したりせず、参加した日にそれぞれが一生懸命に楽しく取り組んでいるかどうかだけをみてください。
 

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