あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2017年11月27日
練習しているが試合になると上手くできない。「パスをつなぐ」ことを定着させるためには、どう指導すればいい?
■5つの見直しポイント
もし、上記のことを試してもかんばしくないようであれば、大人側の指導も以下のことを見直してみましょう。
1.子どもの判断を阻害してはいないか?
→指示命令をやりすぎていないか、コーチングの質はどうか。
2.「パスをしたほうが得する」「パスでつないでゴールを決めたほうが達成感がある・楽しい」といった感情を喚起できているか。
3.「パスをつなぐ」ことを目的にするあまり、パスミスやトラップミスといった失敗を取り上げて指導していないか。
4.いいタイミングでパスをしなかったとき、もしくはパスの選択をしなかったとき、思わず叱ってはいないか。
5.子どもが「パスする」ことを意識しすぎてはいないか。子どもの意思を尊重した自由なサッカーになっているか。
以上のことを、一度考えてみてください。
ご相談の中に「練習のときは一生懸命練習してくれるのですが、試合になるとなかなか出来ず...」とあります。
子どもたちは真面目に取り組んでいるようです。コーチの方も、私に連絡をくださるのですから、子どもたちのことを一所懸命に考えているのでしょう。
さまざま説明したように、ミニゲームでの実践から始めるときっと効果は出てくると思います。ひとつの学年、カテゴリーがやり始めれば、ほかのグループの子どもたちがそれを可視化できます。お手本の学年ができるとすぐに広がっていくでしょう。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。