あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2018年5月 2日
ミスしてもOK!は、ダメじゃないのと指摘。理念がなかなか伝わらない。保護者対応はどうすればいい?
■保護者にとってのネガティブワードをポジティブワードに変える
※写真はサカイク女子キャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません
では、どうするか。
言葉の使い方を変えればいいでしょう。ミスという言葉を使わなければいいのです。
「ナイスチャレンジ!」
「ナイストライ!」
といった言葉に替えてみてはいかがでしょうか。
そのあとで、本人に「どうしたらいいかな?」とか、「次、同じ場面が来たら、どうする?」と解決策を聞いてみてください。
そんなやり取りをしながら、ヒントやアドバイスを授ける。そういった姿を見せると、保護者も「前に進んでいる」と安心するかもしれません。
そのうえで、ミスしたプレーを次に子どもが成功させたときに、それを拾ってあげることが重要です。
「おっ、できたね」
「いいね、ナイス!」
「良くなってるね」
そんなふうに声をかけてあげてください。
子どもの成長や上達は、実際にはずっと右肩上がりではありません。長く踊り場にいるように停滞しながら、突然また階段を上っていきます。
しかしながら、そういったことを言葉で説明して理解してもらうのは容易ではありません。
「保護者に対し納得頂けるまで話をして指導方針を理解してもらうのが良いのか、それとも長い目で見てもらえるよう私の指導を見守ってもらうのが良いのか」と書かれていますが、どちらがいいかという問題でもありません。
年度始めの保護者会の際に、クラブの考えやコーチの指導方針を伝える機会もあるでしょうから、きちんと話しておくことは必要です。
一度に言葉で伝えるのは無理かもしれませんが、「楽しくサッカーをしてほしい」という点は合致しやすい部分です。ぜひその部分を強調するとよいでしょう。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。