あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2018年6月15日

小学生の指導との違いは。 ボールを蹴ったこともない年少さん、どう教えたらいい?

■未就学児へのサッカー指導の注意点

※写真はサカイクキャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません

三つめは、子どもたちに寄り添う(指導する)ときの、コーチの態度です。
これも三つ。


1.全員を同じように扱うこと。
何かが上手にできる子どもを過度にほめたり、その子だけになにかをやらせたりしないことです。逆に、消極的な子や、みんなとかかわれずに輪の外にいる子どもにもそっと目配りしてください。

2.いいところをほめること。
うまくできたり、蹴ったボールが飛んだことでもいい、たくさんほめてください。サッカーに行けば必ずほめられることを知ると、子どもはまた行きたいと思います。

3.練習に来たら、最初に必ずやる習慣的なものをつくること。
たったひとつでもいいです。自分からやることを習慣づけてください。
・自分で着替えをする。
・自分でコーチにあいさつに行く。そこでハイタッチや握手を交わしてもよいでしょう。
・決められたところに荷物を置いて、水筒とタオルをグランドに置きに来る。


そういったことで良いのです。
いずれも「自分でやる」という視点が大事です。

サッカーなのでボールの蹴り方を教えなくてはと、思うかもしれませんが、子どもは遊びの中でいろんなことを学んでいきます。

私の経験では、ふと気付くといつの間にかうまく蹴れるようになっています。正確な技術を身につけるのはもっと先の年代で十分です。

この年代では、楽しく試合をすることができればいいでしょう。

指導を通して、子どもたちのどこを見るか。

それは、上手く蹴れるとか、パスができるといったものではありません。
彼らが、試合後に「○対○で勝った!」と喜んだり、また試合したい、またサッカーしたい、またここに来たいという意思表示をしているかを見てください。

池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。

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