あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2018年10月 9日
上手い子たちが後片付けをしない。「ドリブルが上手ければそれでいい」の空気を変えるにはどうすればいい?
■ドリブルをする目的
※写真はイメージです。 質問者及び質問内容とは関係ありません (C)吉田孝光
ドリブルをする目的は三つあります。
1.突破する。恐らく多くのチームが、明確なものとしては、この目的しか教えていないかもしれません。
2.ボールを奪われないようにする。相手から逃れて、ボールをキープするためのドリブル。
3.パスコースをつくるためのドリブル。2.に似ていますが、相手マークから離れてパスをするために、場所を移動するドリブル。
以上のような3種類のドリブルを分けて考えながらトレーニングすると、プレーの選択肢が広がります。
ドリブルの技術向上を目指しているチームだから「パスよりもドリブルを選択」するということではなく、「パスという選択肢のためのドリブル」を覚えるともっとよくなる。
そんなことをぜひ選手に伝えてください。そこを目指せば、パスをつなごうとなり、みんなが協力することを学び始めます。「チームに役立つドリブル」が増えてきます。
そうすれば、「自分さえよければ」とか「ドリブルが上手ければいい」という感覚は消えることでしょう。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。