あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]
2019年2月15日
「なんでできないんだ」とガミガミ指摘するコーチを変えたい。子どもたちがサッカーを好きでいられる方法はある?
■「楽しいものが待っている」そんな練習なら子どもも笑顔で飛んでくる
怖い顔で、あれができない、これがダメ、と文句ばかり言わずに、まず行くとコーチが笑顔で迎えてくれる。何か楽しいものが待っている。そんな練習をしてあげれば、子どもたちは間違いなく飛んできます。
私が講習会や練習会をすると、最初のほうは子どもたちはなかなか集まりません。知らない、会ったこともないおじさんから何が出てくるかを知らないからです。
ところが、一度集まってやったら楽しかった。だから、次にやるときは、徐々に集まるのが早くなります。
「次は何があるのかな?」
子どもたちはワクワクしながら集まってくるのです。
呼ばれたらすぐに集まりなさい!
礼儀です!
きまりです!
大人は、子どもたちをそのような概念でしばりがちです。
飛躍しすぎるかもしれませんが、そのように「なぜそうするか?」と考えない、考えさせない教育は、独裁者を育てる教育になる恐ろしさも秘めています。
戦後。ドイツは、学校やスポーツの現場で、コーチが笛を使ったり、子どもたちを整列させることをやめました。同じ敗戦国なのに、いま、ドイツと日本の国のありようはかなり違います。
ぜひ、みなさんの足元にある小さな社会から変えていってください。
池上 正(いけがみ・ただし)
「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。
大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。